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米国入国審査-判断基準は?




 

入国審査は実質2回
 

米国に入国するには、実質的に二度の入国審査を通らなくてはなりません。

まずは、ESTA(ビザなし入国)の登録、ビザの取得などを通して、一時的な審査がなされます。この時点で、審査に通らないとまず入国するための書類、いわゆる江戸時代の通行手形が手に入りません。

そして、二度目の審査は、入国の際、税関検査とともに行われる、入国審査となります。
正当なビザがあったり、ESTAで問題がなかったりしても、この二度目の審査で入国拒否となることも十分に想定できます。

 

外国人の入国可否は、その国の広い裁量

「ESTAやビザがあるのだから入国できて当たり前じゃないか」という思考をお持ちの方もいらっしゃいますが、これは間違った姿勢です。
日本にしてもアメリカにしても、外国人の入国は「広汎な裁量」を行使できるので、入国審査官の裁量によって入国が拒否されることも十分にあるのです。
ですので、二度目の審査時に入国拒否の事例が発生することもあるのです。

皆さんが身近で聞いたことがある例は、ビザで日本に入国しようとしていた芸能人が、マリファナを持っていて入国禁止になった、などという話ではないでしょうか。
このように、入国が水際で止められる場合もあるのです。

 

アメリカ入国時はCBPによる審査

米国税関・国境保護局(A U.S. Customs and Border Protection、略称CBP) が入国時の検査と入国審査を行います。この審査については、米国連邦規則(たとえば、19 C.F.R. 162.6条)に何ができるか書かれています。

要は、国外から米国内に入ってくる人および物については、国籍にかかわらず、CBPの検査を受けなければならない、とされています。
これは基本的にどの国でも同様の規定があると思います。

 

CBPによるコメントーどの情報に基づいて入国拒否するか

この水際の入国検査について、最近CBPからコメントが出されています。
コメントのトーンとしては、「お手数をかけて申し訳ないが、ご協力をお願いします」というものです。

「犯罪や、移民法違反を検査するためにできるだけ最低限度の検査に留めています」という高圧的ではない、優しい感じの内容になっています。

ただ、検査が必要かどうかは、入国時に対応する個々の審査官の「裁量」に任されているとしています。個々の審査官の審査において、なんらかの不信の惹起をしないように気をつけることは重要ということですね。

この水際の入国審査について、CBPが興味深い点を公表しました。
すなわち、どのような情報に基づいて入国する者を拘束するべきかという点です。

 

情報源になるAPISとIBIS

一つは、APISというシステム上にある情報、もう一つは、IBISというシステム上の情報に依拠しているということです。
それぞれどのようなデータベースなのか見ていきましょう。

まず、APIS(Advanced Passenger Information System)というのは、米国だけはなく、他国においても使われていますが、飛行機に登場する搭乗者の情報を到着以前に収集するシステムです。これによって、搭乗者がなんらかの犯罪にかかわっているとか、前科があるかなどがすぐにわかるようになっています。
APISによって、リアルタイムに誰がどこから入国しようとしているのか、わかるようになっているわけです。

APISと相まって使用されているのが、IBIS (the Interagency Boarder Inspection System)というシステムです。
水際の入国審査において、誰を追加の二次的審査に呼ぶのかを抽出する基礎となる情報です。このIBISに集められる情報は、CBPの他に20もの連邦の機関の情報が共有されているということになっています。
例えば、FBI、連邦航空局、シークレットサービス、動植物安全検査局、国務省の領事サービス、および各在外米国大使館などと共有されています。

そして、FBIの犯罪データベース(NCIC)は各州のデータベースと共有されていますから、犯罪に関しては、連邦レベルだけではなく州レベルのものもすべて、 含まれているといえます。
もちろん、入国時に麻薬を所持しているなどの犯罪に直接関わっていることで入国禁止になる例もありますが、最初に書類申請をして、ESTAやビザで問題なかったとしても、水際の入国の際に、再度データベースに照合されているということになります。

 

入国をよりスムーズに

ただ、これらのデータベース照合は、もともと、「怪しい」入国者に関し、先手を打って知っておくためのものですので、無理やり犯罪者を作り上げるというよりは、逆に通常問題のない入国者をスムーズに通過させるというメリットも持っているわけです。

 

申告は正直に、正確に

とにかく、過去に犯罪歴があったり、移民法でトラブルがあった場合には、虚偽の申告をせずにちゃんと申告をすること、それからビザなどの発給で問題がなかったとしても、入国時にもう一度審査があることは覚えておいてください。
 

 

ときが経つのははやいもので、もう12月です。
この移民法ブログ(じんけんニュース)は今年最後の原稿となります。
一年間、じんけん事務局および移民法ブログは皆さんのおかげで継続することができました。本当にありがとうございます。読者の皆さんの平穏な年末年始をお祈りしております。また、来年も元気にがんばっていきますので、どうか応援をお願い致します。