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国土安全捜査局によるI-9立入検査対策




May 15, 2018

国土安全捜査局による立入検査対策

入国管理・税関局(U.S. Immigration and Customs Enforcement、略称ICE)の下部機関である、国土安全捜査局(Homeland Security Investigations 、略称HSI)による民間への立ち入り調査が激増しています。
2017年度(2016年10月から2017年9月まで)に比べ、今年度は、すでに2倍程度、3500件以上の立ち入り調査が行われています。

I-9登録が備えてあるか否か

立ち入り調査の理由は、就業場所におけるI-9登録が問題ないかの調査です。
I-9登録というのは、ICEが各就業場所において、外国人が就労する場合に、身分証明証を確認したうえで、就業場所に登録内容を備え置くことを言います。

 

I-9登録の意味合いと行政処分

このI-9登録というのは、両刃の剣であります。
一方では不法な就労を許している事業主に対して罰を課すことで不法就労を牽制する面があります。他方では、外国人が不当な賃金で雇われている場合など、外国人を保護する面があります。

I-9登録に反する雇用が行われている場合には、HSIは行政処分を行うことができます。
行政処分には、様々な種類があります。一つは、違法就労をしている者を拘束し、強制送還の手続に乗せることです。強制送還事例は近年激増傾向にあります。

もう一つ代表的な処分として、刑事・行政の罰金・課徴金の処分です。2017年度には、総額100ミリオンドル程度の処分が行われています。

HSI(Homeland Security Investigations)の調査の流れ

現状では、HSIの行う検査は一般的に以下のような流れで行われます。

書類審査

まず、I-9の検査を行う旨の通知が就業場所に対して送られます。就業場所にあるI-9に照らして、移民法に違反がないかを検査するという趣旨です。その通知には、3日以内に、I-9を提出するように指示が書かれています。HSIは提出書類をまず確認して問題がなければ、この段階で検査は終わります。

立ち入り調査

次の段階は、提出されたI-9書類群に不備がある場合、不提出の場合などには、立ち入り調査を行います。
立ち入り調査の結果においては、まず行政処分として課徴金を徴収します。不法滞在者がいる場合には、身柄の拘束等の処分も行います。

刑事手続と移民法の手続き

第三段階として、I-9違反について、雇用主が故意に違反をしている証拠があれば、刑事手続に乗せて罰金などの刑を科していくこととなります。刑事罰が科されるケースには、ビザに関する詐害行為がある場合など、移民法違反を知っているような事例が含まれます。
さらに、雇用主に対して教育プログラムに参加するように義務付ける場合もあります。

 

常時i-9を備えておくこと

以上のような検査が行われます。I-9の内容検査は、対応が3日間以内ということになっていますので、常時I-9が提出可能な状態にしなければなりません。

従業員の出入りが激しい就業場所は、従業員がすくなくとも、入ったときには、対応を注意して行わなければなりません。3日間以内に書類を整えるには、従業員の協力も必要になりますので、ある程度給与支払いと連動させて、書類を整えておかなければなりません。

 

立ち入り調査の対象は広がっている

以前は、宗教ビザ関連に検査が集中していました。イスラム関連施設が狙い撃ちされていた感はあります。
その後、宗教ビザ関連の検査は、様々な宗教に波及していき、現在では仏教関連の施設にも立ち入り検査が行われています。さらに、現在、中国人留学生などもかなり増加しているので、飲食店への立入検査も増加しています。

I-9の立入検査の端緒は様々ありますが、通報が端緒になることが多いようです。
足の引っ張り合いの場合もあるようですし、怨恨などの情から惹起する場合もあるようです。

検査が長引いて、ビジネスがトラブルに巻き込まれることを避けるためには、やはり事前にI-9書類の整備は常時確認しておくことが重要だと思います。
初動の検査ですんなり終われば、それで問題はないのですから、ビジネスが忙しくても、I-9対策は怠らないことが重要ですね。

また、次回新しいトピックを考えていきましょう。

 


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アメリカでの警察への通報





法律ノート 第1047回 弁護士 鈴木淳司
February 28, 2017

「米国内で警察に通報する意味」

今回は、一回読者の皆さんからいただいている質問にお答えすることを一回休ませていただき、最近私が感じた警察行政に関するトピックを取り上げてみたいと思います。一般的に、警察行政が行う捜査のきっかけを「捜査の端緒」といいますが、端緒は色々な形があります。もちろん、飲酒運転などを警察官が現認することもあるでしょうし、様々な人が通報をすることもあります。匿名の投書などによる場合もあるでしょうし、報道機関の活躍に依る場合もあると思います。

ドメスティック・バイオレンスーDVーの場合

今回皆さんと考えたいのは、家庭内暴力(いわゆる、DV、ドメスティック・バイオレンス)についての端緒です。以下DVとしましょう。DVというのは、家庭内のいわば第三者の目の届かないところで行われることがほとんどですので、派手に大声を立てたり物が壊れていたりしない限り、なかなか第三者からの通報ということはないわけです。多くのDV事件においては、家のなかにいる人からの通報が端緒になります。

以前、かなりベイエリアから離れた土地で、同棲をはじめ、子供も生まれたカップルに関わったことがあります。男性のことはよく知っていましたが、女性について私は面識がありませんでした。二人が付き合いだしたあと、女性はかなり感情的で暴力的な人だということを、第三者から聞いていましたが、イザコザが絶えないという話もよく出ていました。

最近になって、何度か相談を受けていたのですが、喧嘩になると、女性はすぐに警察に通報し、男性が逮捕されてしまいます。子供もまだ小さいので、養育の問題なども争いの原因になっていたようですが、女性が通報し、男性側が否定している事実についても、裁判上証拠としてでてきたため、男性は有罪になりました。私は、その事件を担当していたわけではありませんが、納得がいかない部分を感じました。

その後、また争いが発生し、女性が警察に通報、そして再度男性は逮捕起訴され近々実刑になるかもしれません。

この事例のように、主に性格の不一致から、言い争いをするような事例でも、警察を呼ぶとかなり深刻な問題になります。大人であれば、話し合ってまずは子供の利益を最優先させてあげられないかと、思ってしまいます。

日本の警察でも対応に変化

日本では、警察を呼んでも、刑事事件化しないで、DV事件については、民事不介入ということが今までよく言われていました。ただ、家庭内暴力でも、ストーカー行為にしても、日本でも警察は敏感になっていて、様々な対応方法を試みているのが現実です。とにかく、何かが起こってからでは遅いということが前提にありますし、早めにトラブルには対応することが重要であるというのは、真理だと思います。

日本とアメリカ、DV通報の深刻度の違い

今回私が皆さんにも考えていただきたいのは、日本とアメリカにおける、DV通報の深刻度の違いです。文化の違いもあるとは思います。

日本のように、警察をよんで、まずは男女関係を仲介してもらおうと想定していると、アメリカでは、そのような想定は通用しないケースがほとんどであることを認識していただきたいのです。単に、「夫の興奮を鎮めてもらいたい」とか、女性側が感情的になって「警察を呼んでやる」という場合でも、警察が呼ばれると、DVの罪で逮捕・起訴につながります。

まずは、夫婦で話をして、話ができない場合には、すぐにでも、2人が別々の場所にいるように、どちらかが出ていくことが重要です。喧嘩をしている二人が一緒にいれば、エスカレートするのは目にみえています。

以前私が扱った事件で、夫が浮気をしていると疑っている妻が、感情的になって家の中の物を投げまくったあげく警察を呼んで夫が逮捕されてしまうというものもありました。はっきりいって、夫婦とも子供のようなものですが、後悔先に立たず、です。

パートナーは逮捕起訴、失職。ビザにも影響

日本人の夫婦のDV事件が発展すれば、職を失うなどだけではなく、ビザなどにも影響する大問題となります。感情は抜いて、まず夫婦の一方の行為に対して警察を呼ぶということを考える場合、アメリカでは「逮捕・起訴される」ということを覚悟のうえで、受話器を手にしてください。最近、この手の相談が多いので、周知のために、今回法律ノートにしてみました。

 

春らしい気候になってきました。やはり、カリフォルニアは晴れていないと何か足りない気分になってしまいますが、ようやく「止まない雨はない」ということで、天気を楽しめそうです。色々屋外のアクティビティの予定を考えながらまた一週間がんばっていきましょうね。