入国拒否」タグアーカイブ

米入国時に足止めービザ取得は必要?(1)_1147




法律ノート 第1147回 弁護士 鈴木淳司
16 Feb, 2019

堺屋太一さんが他界されました。昭和から平成にかけての卓越した物の見方や世の中の今、将来を捉え方ができる一人を日本は失いました。残念でなりません。私も20代の頃、一度お会いできるチャンスがあったのですが、理由は忘れましたが、その機会を失ってしまいました。今思うと、とても貴重な機会を逃してしまったと少々後悔しています。今一度、堺屋さんの本を反芻して、色々学ばなければならないと思いました。

天候が不順で影響が各所ででているようですが、皆さんの体調はいかがですか。

 

米入国時に止められるービザ取得は必要?

さて、今回から新しくいただいている質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。

いただいている質問をまとめると、「ここ1年ほどアメリカの子会社の設立かかわっています。出張ベースで渡米しているのですが、何度か入国で止められるようになりました。私はアメリカに長期滞在することは考えていないのですが、ビザを取るべきだ、と入国するときに言われます。入国審査の時間も長いのですが、本当にビザが必要なのか、何を持って見極めているのか教えてください」というものです。

入国審査を改めて考える

今回の質問も移民法に関連する話題ですが、移民法に関する話題は一般的に最近多くなってきましたね。次々に大統領が移民に対して厳しい方針を打ち立てています。

ただ、今回ある質問についての状況は今にはじまったわけではなく、今までも同じように入国に関して疑問を持たれてしまう場合がありました。近年ではESTAという事前渡航登録サービスが充実しているので、それまでにいつどこからアメリカに入国したのか、どの程度滞在していたのか、といった情報も事前に移民局が把握していることになります。

まず、今回の質問を考えていくうえで、アメリカの入国審査一般についてすこし考えておきましょう。

自動化が進んでも審査の基本は同じ

現在、入国審査についても、自動化が進み、かなり細かく変化が見られますが、基本的な考え方は変わっていません。入国審査についてはマニュアルが用意されていて、入国審査で必要なときに、審査官が質問します。

マニュアルは随時変更がされているようですが、基本的には、どこからなにのためにアメリカに来て、どの程度滞在するのか、というのをビザの種類にかかわらず聞きます。

ESTAで入国するときには、帰国用のチケットも、入国の際、実際の提示を促されることもあります。とは言え、ESTAは近年よくできていて、入国がかなりスムーズにできるようになりました。

 

二次チェックが必要となる場合

しかし、今回質問されている方の場合は、入国の際に、チェックが入り、第二次チェックの方に回されるという状況にあります。実際に公表されてはいませんが、何度も出入国を繰り返し、さらにアメリカから出国している時間が短い場合には、審査官の目を引くことになります。

入国は、その国の「裁量」でしかない

さて、どこの国でも同じなのですが、外国人がその国に入れるかどうかは、基本的にはその国の「裁量」です。
裁量というのは、この場合広汎な裁量であり、国が嫌だと思えば、どのような理由であれ、外国人の入国を禁止することができるのです。

したがって、ESTAを利用して、すでにオッケーが出ていても、入国の際、入国審査官の裁量により、入国ができない場合が考えられるのです。

ですので、人によっては、問題なく行き来している外国人もいれば、引っかかってしまい、第二次検査につれて行かれるということもあります。最近はウェブやSNSなどで、体験記的に「アメリカ入国時にうんぬん」という記事がたくさん出ているようですが、そのような体験は、他の人にまず当てはまらない可能性が高いのです。

なぜなら、検査の裁量は検査官にあるわけですから、一人ひとり違う部分に目を当てられて判断されるからです。

ですから、一般的にできることとすれば、ESTAの目的に合致していないんじゃないか、と疑われることを最小限にするということです。

今回の質問にある問題点を考えながら、次回どうやったら入国の裁量において、「疑われない」ように準備していくか考えたいと思います。

また、次回続けて考えていきますが、また一週間、インフルエンザに注意しながらがんばっていきましょうね。

 

 


 

▼DVグリーンカード抽選サポート、お申込み受付中

https://jinken.com/entry/

絶対アメリカに行きたい!住み続けたい!大きなチャレンジをして自分を変えたい!
Momsを通じてご応募なさる方々の「本気」にこたえます。

応募期間は例年10月のおよそ1か月。

もしもDVが実施されなかった場合には、もちろん全額対応させていただきますのでご安心ください。政権の移民政策に対する不安も大きいところですが、Momsでは柔軟に対応してまいります。

 





 

アメリカ旅行前に確認して欲しいポイント

事務局には、渡米時のトラブルに関する相談が寄せられます。
ほとんどの場合には、事前ではなく、事後。つまり、入国拒否にあってから「どうしたら良いでしょう?」というお問い合わせが多いです。

一度入国拒否に合うと、その後の渡米は非常に難しくなります。
ですので、ぜひここで確認していただきたい!

またご不明点があれば、お気軽にご連絡をください。
ご希望があれば、渡米書類等の準備のサポートも行なっております。
< i@jinken.com まで >

渡米時の荷物検査ーその中身、何?

米国入国審査-判断基準は?

天国と地獄-強制送還と「入国の撤回」

渡米時の税関検査 柿の種にもご注意!

過去に飲酒運転で有罪。ESTA入国はできる?

グアム、サイパンなど北マリアナ諸島への入国とESTA

ESTAで入国ができない場合

渡米時の荷物検査ーその中身、何?




 

法律ノート 第1050回 弁護士 鈴木淳司
March 19, 2017
 

今回は、一回皆さんからの質問にお答えするのをお休みさせていただいて、最近移民関係で起こっていることについて考えてみたいと思います。幾つかの質問には、かなり長い間お答えしていないものもあり、申し訳なく思っていますが、時々、時機に応じた話題を取り上げさせてください。

 

「渡米時の荷物検査ーその中身、何?」
 

アメリカの入国審査厳格化の傾向

 

今回、取り上げたいのは米国入国時の注意点です。
最近ではトランプ政権の移民政策厳格化の方針が継続していて、司法の場に論争が移っています。入国審査も厳格になっています。決して一般的に合法的な入国を目指す外国人に対して厳しくなっているわけではないのですが、風潮というか、傾向として色々気をつけなければなりません。
中でも、入国審査ではなく税関検査に関して、考えておきたいと思います。すなわち、荷物検査のときの注意点です。

 

入国拒否の事例は様々

最近、私のところにアメリカから日本に送還(厳密にいうと、アメリカへの入国拒否)の憂き目にあった人の事例があります。日本人の彼は未成年者ではありませんが、20歳以上年下の女性とアメリカに一緒に入国しようとしました。

彼はすでに入国審査を済ませましたが、別の列に並んでいた彼女が審査で戸惑っていたので、助けに行ったところ、関係を咎められ、第二次検査に回されました。あとからそのときの調書を読むと、この男女は、いわゆるオンラインチャットではじめて羽田で出会い、男性が女性にお金を渡し、一緒にアメリカに旅行をするという計画であったということを自供しています。男女とも、別々の部屋に入れられ、女性の方は特に素直に色々話をしたようです。

結果として、男性も女性も入国は拒否され、米国移民法の「売春に関わる目的の入国」として認定されてしまいました。行政の判断です。

移民法に明確に規定されているのですが、売春に関わる目的を持っていると、10年間は入国禁止とされています。この男女の再度のアメリカ入国は少なくとも10年間はかなり難しい状況になってしまっています。

 

入国審査ともう一つ、税関検査

この数年、入国審査に加えて税関検査もかなり厳しくなっています。入国検査で疑われると、持ってきている荷物も全部検査されることになりかねません。

上述した男女の例では、オンラインチャットを通して羽田空港ではじめて会って、少なくないお金の授受をその場でして、一緒にアメリカに来ていることがわかっていますが、荷物のなかにいわゆる「大人のおもちゃ」が入っていて、それを突きつけられたわけです。

 

目的に沿わない荷物が逆効果になることも

入国する外国人の供述に加えて、入国審査官の疑念に沿ったようなものが出てくると、いわゆる「火に油を注ぐ」状態になるわけです。入国禁止を正当化する物的証拠が荷物から出てくると、これはなかなか弁護ができない状況になります。

上述の事例は、かなり特殊かもしれませんが、観光目的で来ているはずなのに、米国で借りているアパートから生じる光熱費の請求書が出てきたという事例もあります。そうすると、観光目的じゃなくて、住んでいるんじゃないか、と疑われても仕方がないことになります。

同様に、観光目的で来ているのに、鮨屋で使うような包丁が何本も出てくると、板前をしようとしていて、就労目的じゃないか、と疑われます。単に、ビザなしで商談に来ている日本人なはずなのに、荷物検査をすると、アメリカの住所が入っている名刺がでてくると、アメリカで働いているんじゃないか、と疑われます。

このように、手荷物ではなくて、持ってきているスーツケースの中に入っている荷物の中に入っているものを手がかりとして、持っているビザやビザなし入国の目的外のことをしているのではないかと断定されてしまう可能性があります。

 

外国人がアメリカに入国するのは「権利」ではない

日本人を含め、外国人がアメリカに入国するのは「権利」ではなく、入国審査の広汎な裁量に服します。これは、アメリカ人が日本に入国するときも同じです。

これから、トランプ政権下で、外国人の入国審査が厳しくなっていくと思われます。江戸時代の「入り鉄砲に出女」状態までは行きませんが、要らないアイディアを入国審査のときに与えないように振る舞いたいものです。

 

余談ですが、最近、アメリカ入国の際に段ボール箱を持っていると、ほぼ確実にスキャンにかけられる列に連れていかれます。なので、アメリカ入国の際には、どんな方法で荷物を持ち込むかも考えた方が無難かもしれませんね。

 
次回、また、いただいている質問を考えていきたいと思います。花粉もすごくなってきましたが、花が咲いて綺麗な時期です。春を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。




 

過去に飲酒運転で有罪。ESTA入国はできる?





法律ノート 第1041回 弁護士 鈴木淳司
January 17, 2017

「遠方より友来たる。また楽しからずや」という論語の一節がありますが、年始は来客が多く友人達と話をする機会が多くありました。やはり直接一緒の時間を過ごすということは、どのようなIT時代になっても格別なものですね。ただ、ベイエリアは嵐や雨がひどく、一緒になかなかゴルフができませんでした。これは残念でしたが、それなりにアクティビティを見つけ、おもてなしができたとは思います。

「過去に飲酒運転で有罪。ESTA入国はできる?」

さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「最近、アメリカにおいて、外国人が飲酒運転で逮捕されると、ビザが失効するということを聞きました。私は、4年ほど前まで、アメリカにLビザで滞在していた者です。滞在中飲酒運転で逮捕され有罪となりました。その頃は、いわゆるビザに対する影響はなかったため、アメリカに滞在し続け、帰任命令にしたがって、日本に戻りました。最近になってまた海外の案件を扱う部署に異動したので、アメリカに行く機会ができそうなのですが、過去に飲酒運転で有罪となっている場合、ビザなし(ESTA)で渡航することは可能なのでしょうか。」というものです。

飲酒運転と移民法の厳格化ービザの失効通知ー

私が別に書いている移民法ブログでも取り上げましたが、最近では、飲酒運転について移民法関係が厳しくなってきています。ビザをもってアメリカ滞在中に飲酒運転で有罪とならずとも逮捕されると、在日本米国大使館・領事館から、発効されたビザの失効通知が届きます。ビザが失効する効果として、通知時に、その外国人が米国滞在中であれば、有効な滞在期間(I-94によりコントロールされている滞在期間)はそのままアメリカに滞在できます。
しかし、いったんアメリカから出た場合、再入国に必要なビザがないため、再度、日本に所在する米国大使館・領事館を通して、ビザの申請をする必要があります。このビザの再申請で、飲酒・薬物等の常習性を確かめられるケースも増えてきました。

ビザなし(ESTA)入国は難しい

今回質問されている方は、数年前まで米国に滞在していたということで、ビザの失効通知というのは目にされていないと思われます。しかし、数年前でも、飲酒運転について有罪判決を受けているようですので、ESTA、すなわちビザなし入国をすることは難しいと考えられます。
ビザなし入国というのは、基本的に米国で有罪となったことがない、という前提条件がありますので、今回質問されている方は利用できないと思われます。

Bビザ取得を目指す

そこで、今回質問されている方のような、過去に米国内で有罪判決を受けているような場合には、Bビザを申請して、一時渡航をすることになります。Bビザというのは、いわゆる観光・商用ビザと呼ばれていますが、ビザなし入国を許されていない国は、観光や商用についても、Bビザを取ってからアメリカに入国しています。
日本も、ビザなしの渡航が認められていなかった時代には、アメリカ観光にもBビザをとっていた過去があります。

現在でも、日本からアメリカに渡航する場合、Bビザの発給も可能ですので、今回質問されている方がアメリカで就業するわけではなく、一時的に商用目的で渡航するのであれば、Bビザの発給を目指すことになると思います。
Bビザは、最長で10年間有効期間が与えられ、一回の渡航で6ヶ月の滞在が可能です(さらに米国内にとどまって、6ヶ月の延長申請も可能です。)。申請時に工夫をして、今回質問されている方のような場合には、10年間の有効期限の許可を目指すのが良いかもしれません。

政府機関では情報を共有ー虚偽申告は絶対にしない!

それから、過去に米国内において飲酒運転で逮捕され、有罪となった記録については、すでに大使館・領事館が保持していると思われますので、この事実については、絶対に明らかにしたうえで申請しなければなりません。このような不利益な事実を隠すと、虚偽の申請とみなされ、申請を却下されるだけではなく、将来の申請も制限される可能性が高いです。

以上のように、過去に米国内でなんらかの有罪となったり、逮捕されたり、するとESTAが使えない場合がありますので、そのときには、ビザ申請は不可欠になるということは覚えておいてくださいね。

次回新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。寒い日が続き、インフルエンザも大流行しているみたいですが、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。