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過去に飲酒運転で有罪。ESTA入国はできる?





法律ノート 第1041回 弁護士 鈴木淳司
January 17, 2017

「遠方より友来たる。また楽しからずや」という論語の一節がありますが、年始は来客が多く友人達と話をする機会が多くありました。やはり直接一緒の時間を過ごすということは、どのようなIT時代になっても格別なものですね。ただ、ベイエリアは嵐や雨がひどく、一緒になかなかゴルフができませんでした。これは残念でしたが、それなりにアクティビティを見つけ、おもてなしができたとは思います。

「過去に飲酒運転で有罪。ESTA入国はできる?」

さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「最近、アメリカにおいて、外国人が飲酒運転で逮捕されると、ビザが失効するということを聞きました。私は、4年ほど前まで、アメリカにLビザで滞在していた者です。滞在中飲酒運転で逮捕され有罪となりました。その頃は、いわゆるビザに対する影響はなかったため、アメリカに滞在し続け、帰任命令にしたがって、日本に戻りました。最近になってまた海外の案件を扱う部署に異動したので、アメリカに行く機会ができそうなのですが、過去に飲酒運転で有罪となっている場合、ビザなし(ESTA)で渡航することは可能なのでしょうか。」というものです。

飲酒運転と移民法の厳格化ービザの失効通知ー

私が別に書いている移民法ブログでも取り上げましたが、最近では、飲酒運転について移民法関係が厳しくなってきています。ビザをもってアメリカ滞在中に飲酒運転で有罪とならずとも逮捕されると、在日本米国大使館・領事館から、発効されたビザの失効通知が届きます。ビザが失効する効果として、通知時に、その外国人が米国滞在中であれば、有効な滞在期間(I-94によりコントロールされている滞在期間)はそのままアメリカに滞在できます。
しかし、いったんアメリカから出た場合、再入国に必要なビザがないため、再度、日本に所在する米国大使館・領事館を通して、ビザの申請をする必要があります。このビザの再申請で、飲酒・薬物等の常習性を確かめられるケースも増えてきました。

ビザなし(ESTA)入国は難しい

今回質問されている方は、数年前まで米国に滞在していたということで、ビザの失効通知というのは目にされていないと思われます。しかし、数年前でも、飲酒運転について有罪判決を受けているようですので、ESTA、すなわちビザなし入国をすることは難しいと考えられます。
ビザなし入国というのは、基本的に米国で有罪となったことがない、という前提条件がありますので、今回質問されている方は利用できないと思われます。

Bビザ取得を目指す

そこで、今回質問されている方のような、過去に米国内で有罪判決を受けているような場合には、Bビザを申請して、一時渡航をすることになります。Bビザというのは、いわゆる観光・商用ビザと呼ばれていますが、ビザなし入国を許されていない国は、観光や商用についても、Bビザを取ってからアメリカに入国しています。
日本も、ビザなしの渡航が認められていなかった時代には、アメリカ観光にもBビザをとっていた過去があります。

現在でも、日本からアメリカに渡航する場合、Bビザの発給も可能ですので、今回質問されている方がアメリカで就業するわけではなく、一時的に商用目的で渡航するのであれば、Bビザの発給を目指すことになると思います。
Bビザは、最長で10年間有効期間が与えられ、一回の渡航で6ヶ月の滞在が可能です(さらに米国内にとどまって、6ヶ月の延長申請も可能です。)。申請時に工夫をして、今回質問されている方のような場合には、10年間の有効期限の許可を目指すのが良いかもしれません。

政府機関では情報を共有ー虚偽申告は絶対にしない!

それから、過去に米国内において飲酒運転で逮捕され、有罪となった記録については、すでに大使館・領事館が保持していると思われますので、この事実については、絶対に明らかにしたうえで申請しなければなりません。このような不利益な事実を隠すと、虚偽の申請とみなされ、申請を却下されるだけではなく、将来の申請も制限される可能性が高いです。

以上のように、過去に米国内でなんらかの有罪となったり、逮捕されたり、するとESTAが使えない場合がありますので、そのときには、ビザ申請は不可欠になるということは覚えておいてくださいね。

次回新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。寒い日が続き、インフルエンザも大流行しているみたいですが、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。