アメリカ法律ノート」カテゴリーアーカイブ

アメリカでの相続と管理人(3)_1128




法律ノート 第1128回 弁護士 鈴木淳司

アメリカでの相続と管理人(3)_1128
Sep 22, 2018

連邦最高裁判所の判事候補の議会による承認手続が揉めています。判事候補は、「司法官の選任に政治が絡んではいけない」ということを議会で証言していましたが、判事の選任というのは、政治行為そのものだと思うのですが。実際に、判事候補の高校生活を巡って女性が被害を公に訴えて揉めていますが、現最高裁判事のトーマス判事の承認手続でも女性が被害を訴えましたが、ほぼ一蹴された形になりました。そのときに比べて、今では女性の上院議員も増えてきていますので、時代は変わったと思いますが、結果はいかに、というところでしょうか。しかし、アメリカ大統領が名指しで訴えでた女性を非難するなんて、陳腐としか言いようがありません。

さて、前二回から続けて、以下の質問を考えていきましょう。
「私達家族は、カリフォルニア州に家を持ち、子供を育ててきました。子供たちも巣立ち、現在夫婦で暮らしています。数年前、隣人夫妻の夫が亡くなり、高齢の奥さん一人になりました。家族ぐるみで仲良くしていた夫妻です。最近になって、この奥さんから、遺言やトラストを書き換えているが、亡くなったときの管理人になってもらえないかと言われ、奥さんの弁護士とも話をしました。よく、内容が理解できなかったのですが、経済的な負担はない、ということで承諾しましたが、現状でも、どのような責任が発生するのか、不安ではあります。この管理人というのはどういうものなのか、教えてください」

 

財産管理人の役割

前回まででどのように、管理人が指定されていくのか概ね考えてきたと思います。
ここから実際にはどのような役割を負うことになるのか、考えたいと思います。

ここでは、まず、裁判所を通さなければならない遺言において、管理人が指定された場合、または裁判所から指定された場合を考えます。トラストはあまり、管理することはないのですが、遺言の場合には、やることが多いのでこちらを先に片付けておきましょう。

 

遺言に基づく管理人(Administrator)

まず、遺言に基づく管理人(Administrator)は、裁判所の管理下においてやることをやった場合には、その仕事に対する報酬をもらえることになります。その報酬については法律で決められていて、裁判所の許可が必要になりますが、基本的にすべての仕事が終わった時点で、報酬をもらえます。報酬は、全体で相続財産がどの程度の規模か、で判断されます。

また、通常は、相続財産管理人に指定された人が、自分自身で行うのが困難な場合には、弁護士に依頼をして、すべての業務を代理してもらうことも可能です。

 

管理人の業務内容

さて、管理人はどのような財産の管理をしなければならないのでしょうか。まず大きくわけて3つの分野があります。驚くようなことはありません。

簡単にいうと、
(1)財産にどのようなものがあるのか、整理すること
(2)貸し借りが存在する場合には、支払いを受けたり、したりして整理すること
(3)税金関係を整理すること
の3つです。

つまり、生きていればだれでもやっていることを人のためにするという程度であり、特殊なことをやる必要は基本的にありません。少々、詳しく考えていきましょう。

 

財産の整理

まず、財産の整理ですが、一番の手がかりは遺言そのものです。

遺言に、財産の具体的な記載があれば、その財産が本当に本人のものか確認します。不動産や銀行口座、証券の口座などはある程度簡単にわかりますね。

その他にも貸し金庫の中身を確認するというのもある程度実働はいりますが、わかりやすいところです。

さらに、動産がどのようなものがあるのか確認しなければなりません。ここが少々厄介なところです。もちろんお皿一枚まで数えろ、ということではありませんが、ある程度価値があるものについては、リストを作成しなければなりません。

 

財産リストの作成とTax ID

なお、相続財産の管理人が自分でリストを作成しなくても、専門の業者なども存在します。

リストを作るだけではなく、裁判所に提出するときに「評価書(Appraisal)」が必要になります。この評価書は、特定のフォームを利用することになります。

この財産の整理の過程で、(1)「相続財産」を名義として(主体として)、連邦税番号(Tax ID)を取ることが必要になります。最後に相続税を申告しなければならないからです。

次に(2)管理をしている人は、善良に財産を管理する人であることを政府に告げるフォーム(Notice of Fiduciary Relationship)というのを国税に対して提出しなければなりません。

第三に不動産がある場合には、不動産を管理する郡に対して通知をする必要がでてきますし、書類もいくつか提出しなければなりません。

次回続けていきましょう。秋分の日ですか。もうこれでオフィシャルに秋ですね。これから陽が短くなっていくわけですが、体調に注意してまた一週間がんばっていきましょうね。

 


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アメリカで経営が困難に、破産すべきか(2)_1124




法律ノート 第1124回 弁護士 鈴木淳司

アメリカで経営が困難に、破産すべきか(2)_1124
August 28, 2018

この数日、付近の火事は鎮火しつつあるはずですが、ベイエリアはかなり「煙たい」空気に包まれていました。橋も曇って見えます。また、近所で火事が発生しているのか、と思ってニュースを良く見ると、オレゴンやワシントン、その上のカナダでも大規模な火災が発生し、太平洋を経由して、ベイエリアに流入しているとか。以前は、カリフォルニアの夏といえば、カラッと乾いているけど、樹々は緑、青い空が映えるというのが定番でしたが、過去のことなのでしょうか。日本でも猛暑がひどいようですね。

 

さて、前回から考えてきた質問を続けて考えていきましょう。
「抽選でアメリカの永住権を取得できたので、5年ほど前からアメリカに移り住み、輸出入の会社を経営しています。最近では、競争が激しくなり思うように利益があがりません。他社との値段競争についていけない状況なのです。夫婦でやっている会社なので、実際個人の負債もかなりあります。色々相談をしているのですが、ビジネスを現在売っても負債がすべて返せない状況にあり、破産を勧められています。本意ではありませんし、日本人的な感覚かもしれませんが、破産ということについてかなり抵抗があります。アメリカで破産した場合、永住権しか持っていない私にはどのような影響があるのでしょうか。また破産した場合、負債は本当に減るかなくなるのでしょうか」という質問内容です。

前回、アメリカの破産法には、チャプター7と13と呼ばれる方法があることを考えました。これらは個人の破産についてです。一方で、法人の破産については、チャプター7に加え、チャプター11と呼ばれるものもあります。このチャプターというのは、アメリカ法典の「第7章」という番号から由来するもので、あまり意味はありません。

個人でも法人でも、チャプター7というのは、いわゆるすべての負債で担保がついていない債務に関しては「免責」されるタイプの破産です。
免責というのは、負債があっても、もう払わなくても良いことにするという意味です。

この免責の許可は、アメリカの連邦裁判所のみが与えられることになっています。
保証人などの人的担保、抵当権などの物的担保がついていない債務、たとえばクレジットカードの債務などは、裁判所から免責許可を得れば、払う必要がなくなるのです。

このチャプター7は、個人にしても法人にしても、支払能力がまったくないような状態、支払能力が著しく低い状態の場合に有効ということになります。ある程度収支が存在しているような場合には、チャプター7を使わず、チャプター11や13を考えることになります。

たとえば、今回の質問をされている方は、どうも、毎月の収支はそれなりにあって、お金が回っている状態のようです。
そうすると、チャプター7を利用して、負債等をゼロにして、再スタートするよりも、手持ちにある財産をできるだけ保持しつつ、再建したいと思うはずです。

たしかにチャプター7を利用すると、担保の負債がついていない債務については、「チャラ」になる、すなわち免責されますが、担保がついている債務、たとえば家、車、高価な電化製品、家具、機器など割賦払いで買っている場合には、債務はなくなりますが、原則として、物を返還しなければなりません。文字通り、すべての債権債務をゼロに巻き戻すという感覚でいなければなりません。
このように、チャプター7によって債権者は不測の不利益を被る可能性があります。

そこで、一般的に金融機関が融資をするときに担保を取る、大家さんが商業物件を貸すときに担保を取る、というのは、破産対策というわけです。クレジットカードの発行審査も結局「チャプター7」の可能性が低い人、ちゃんと支払いを継続できる人、という観点から行われるのは、チャプター7による免責があるからです。

ここで、注意しなければならないことは、今回質問されている方の会社は、ほぼ質問者御本人の個人保証がついている借り入れで成り立っていますので、たとえ、会社がチャプター7をしても、結局は保証人である質問者本人の財務的力量が問題になってくると思います。

会社だけ潰してしまえば良い、というものではなく、会社の債務を保証している場合には、その保証人にも同額責任が生じるのです。また、場合によっては家族や第三者が保証人になっている可能性もあります。このような場合には、会社がチャプター7で免責されたとしても、保証人にはかかってくる可能性があり、こういう場合には「迷惑をかける」と一般的に言われる場合になるのではないでしょうか。

会社が破産する場合には、まずはどのような保証がついているのか、すべての債務を検証して、その影響を考えるのが第一歩となります。

次回続けて考えていきたいと思います。

 

まだまだ暑い日が続きますが、体調管理を万全にしてまた1週間がんばっていきましょう。

 


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アメリカで経営が困難に、破産すべきか(1)_1123




法律ノート 第1123回 弁護士 鈴木淳司

アメリカで経営が困難に、破産すべきか(1)_1123
Augut 21, 2018

元巨人の桑田真澄投手が夏の高校野球の始球式で投げましたが、彼の紳士的な立ち振舞いは素敵でした。今でも野球を愛しているんだなぁ、という気持ちが伝わってきました。しかし、アメリカの始球式には、打者はいないですが、日本は打者がちゃんと立っていますね。当たったらどうするのだと思いますが、早稲田の安倍球場からの伝統なのですね。

 

さて、今回から新しく法律ノート宛にいただいている電子メールでの質問を考えていきたいと思います。あまり個人的には得意な分野の法律ではないので、かなり一般論的な内容になりますが、がんばって皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

いただいている質問をまとめると「抽選でアメリカの永住権を取得できたので、5年ほど前からアメリカに移り住み、輸出入の会社を経営しています。最近では、競争が激しくなり思うように利益があがりません。他社との値段競争についていけない状況なのです。夫婦でやっている会社なので、実際個人の負債もかなりあります。色々相談をしているのですが、ビジネスを現在売っても負債がすべて返せない状況にあり、破産を勧められています。本意ではありませんし、日本人的な感覚かもしれませんが、破産ということについてかなり抵抗があります。アメリカで破産した場合、永住権しか持っていない私にはどのような影響があるのでしょうか。また破産した場合、負債は本当に減るかなくなるのでしょうか」という質問です。

 

破産(Bankruptcy)というのは、アメリカではかなり特殊な分野で、弁護士でも、破産だけに特化して業務を行っている人が多いと思います。
破産に関しては、連邦裁判所の専属の法律分野であり、州の裁判所は関係しません。破産というのは、簡単に言うと、借金を背負っている人が、現在の資産や将来の収入を考えると、借りたお金を返しきれない場合など、裁判所に申立をして、借金を免除してもらうか、持っている財産の範囲で、借りたお金を公平に分配する法律上の制度です。
破産を申し立てて、裁判所から、「免責許可(Discharge)」という許可をもらうことで、破産手続は基本的に完了します。

破産をアメリカで申し立てると、たとえば債権回収の執拗な電話などを止めることができます。これを自動停止(Automatic Stay)の効力といいます。
ですので、借金の取り立てなどで悩まなくなるというメリットが発生します。また、貸主から債権回収の訴訟を提起された場合などは、その裁判手続きも同じように自動停止します。さらに裁判所から免責を許可されると、基本的に負債を払うことを免除されます。

しかし、免除されるといっても、すべての負債が免除されるわけではなく、以下詳しく考えますが、一定範囲の負債は免責されません。アメリカでは一般的に個人の破産については、チャプター7とチャプター13という2つの主な方法が定められています。
7の方は免責をゴールとする方法で、13というのは、財産や収入を勘案して、再建が可能な場合に使われる方法です。7の方はほぼ財産がない、という場合に有効な方法ということになります。今回質問されている方も、自分の財産がどの程度あるのか、会社の負債といっても個人保証をつけられているようなので、保証している負債はどの程度の額なのか、などをすべて表にして、どの方法を使うか考えていかなければならないわけです。

破産で免責を受けると、クレジットカードの負債など、担保がついていない負債の支払いは免責されます。
ただ、破産を申し立てた人については免責されるとしても、保証人となっている人は免責されません。

ですので、たとえば、家族が保証人になってお金を借りているような場合には、家族は免責されず、支払いの義務は残るということになってしまいます。
よく、破産をしても「家族に迷惑をかける」というシナリオはこのような場合を指すのですね。クレジットカードだけでなく、未払いの請求書などもほぼ免責されますので、アメリカでは高額の医療費を払えないので、破産をするというのもニュースになります。

ただし、支払いを免責されたとしても、何か物を買った代金を支払わなかったような場合には、その物は、売主に返還されます。車や家具などは、支払い免責を受けた場合、返還しなければならないのです。

ここから次回続けていきたいと思います。

まだまだ暑い夏が続きます。ベイエリアは涼しいのですが、暑いエリアの方々は体調管理にくれぐれも注意されてください。また1週間がんばっていきましょうね。

 


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トランプ大統領の入国禁止政策(2)_1118




トランプ大統領の入国禁止政策(2)_1118
July 14, 2018

前回、2018年6月26日に、アメリカ連邦裁判所の入国禁止大統領令を支持する判決を考え始めました。今回続けていきましょう。前回、保守派の最高裁の多数派が書いたロジックを考え始めました。

大統領はつまるところ、外国人を自国に入れるかどうかの広汎な裁量を持っているということは考えました。これはアメリカに限らず、日本でも同様に外国人を入国させるかどうかの広汎な裁量を行使できるので、基本的に問題はないという考え方になることを前回で理解していただけたと思います。

 

今回の入国制限が適法か

次に、今回の制限はそもそも適法かどうか、という点が問題になります。
この点が、保守派とリベラルの少数意見で激しく割れた部分であります。こういう言い方だとかなり端折っている、と思われるかもしれませんが、保守派は形式的な法律論を前面に出し、少数派は実質的に今回の事件を解析する、という構図となりました。

 

最高裁判決、適法と主張した論理

保守派は、今回の大統領令に関して、大統領は移民政策において広汎な裁量を行使する権限があり、単にその権限を行使した。そして、イスラム迫害ということはなく、数あるうちの6つの国だけ原則入国禁止に指定した。イスラム教を迫害しているとは言えない。

そして、政府が移民政策をするうえでは、合理的な制限であれば問題なく、テロ対策をするうえで合理的な判断であった、と位置づけました。

 

最高裁判決、違法と主張した論理

少数派は噛みつきます。

トランプ大統領が選挙中および大統領就任後もイスラム教を排斥する考えを打ち出し、さらに今回の制限も主にイスラム教徒に向けられたものだ。まるで、日系人を強制収容したときのように、一括りにしているような政策だ、「合理的な制限」という程度の解釈では生ぬるく、もっと制限的な方法および目的も厳格に審査されるべきだ、と主張しました。かなり事実も抜き出して論じています。
また、この入国禁止指定された6カ国の親族がアメリカにいるとして、かなりの数の家族が引き離されてしまう、という言及もありました。

少数派の意見をよそに保守派の多数は、大統領令を支持することになったのです。かなり激論があったと思われますし、激論になる理由もよく理解できます。とにかく、トランプ大統領の6各国に対する原則入国禁止の大統領令は有効であるとされました。

 

入国禁止の例外的な措置

もちろん、この大統領令には、原則入国禁止だが、例外的に難民等は受け入れる、という下りがあります。ですので、まったくの禁止ではないということになります。

しかし、実質的にはそのように例外受け入れが本当になされるのかは、行政の手のひらのうえの話です。アメリカ国内にもすでに、今回指定された6カ国に関連する市民権者や永住権者がたくさんいるわけで、アメリカ国内の議論もかなり亀裂が入ってくることが予想されます。本当に今回の大統領令でテロがなくなるのであればよいのですが、テロを焚きつける可能性もかなりあります。

私の現政権の考え方に対しての理解が浅いのかもしれません。
しかし、イスラム教徒イコールテロリストということではないということは、当たり前です。もともとイスラム教も他の宗教と同じように穏健な考え方で、戒律を守る考え方が基礎にあります。テロリストがジハードという言葉を捻じ曲げて、あたかも第二次大戦を煽っていった軍が天皇の統帥権を履き違えた同じように、武力行為にでるというのは、特殊な例であり、イスラム教の人たち全員にはもちろん当てはまりません。もちろん、戦国時代の比叡山のように武力化するような僧侶もいれば、穏健な僧侶も仏教徒でもいるわけで、十把一括りにするやり方はアメリカらしくないなぁ、と感じています。

今回指定された、6カ国でも賢人はいくらでもいるはずで、力はなくても、独裁政治などを是正したいと思っている人は一人ではないはずです。
そうすると、国ごとに入国禁止としてしまうと、その国に対して批判したり、変えたいと思っても、いくら例外規定があるとはいっても、アメリカという言論が自由な国に助けが求められなくなってしまうかもしれません。前に来た移民があとから来た移民にレッテルを貼ってしまうことになっているのではないかと憂慮しています。

今回の判決を読んで、なんだか、アメリカの良さ、悪さもあるでしょうが、胸を張って世界に誇れる多様性の萎縮を生むのではと思っています。

次回からまた新しいトピックを考えていきましょう。

 

 


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トランプ大統領の入国禁止政策(1)_1117




トランプ大統領の入国禁止政策(1)_1117
July 9, 2018

2018年6月26日に、アメリカ連邦裁判所で判決があり、かなりニュースになっていたトランプ政権によるアメリカ入国禁止令が結論としては支持されました。
もともと構成員のほとんどが移民の国で大幅な入国禁止令が出されたということで、議論が沸騰して、未だとどまるところを知りません。判決を受けて各地でデモも起こっています。
判決の内容をご存知ない方も多いと思いますが、日本人、そして日系人の強制収容についても言及されている判例なので、一弁護士の一考として、皆さんからの質問にお答えするのを休ませていただき、考えてみたいと思いました。

 

大統領令-Executive Order 13780-とその後の経緯

さて、今回連邦最高裁判所まで上り詰めた問題について少しおさらいしておきましょう。
トランプ大統領は、一定の国からのアメリカ入国を厳しく制限する大統領令を二度出しました。もちろん二度とも、かなりの議論が沸騰しましたが、今回の大統領令は直近の二度目の大統領令(Executive Order 13780)についてです。

この二度目の大統領令では、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、およびイエメンからのアメリカ入国を原則禁止し、例外的に難民申請などは、数は半減するが、考慮する、という規定がなされました。

この入国禁止令に対し、多くのアメリカ国民が反発し、訴訟提起に至りました。
主な訴訟では、ハワイ州、メリーランド州の連邦地方裁判所の判断により、大統領令の執行停止となりました。政権側は不服として控訴、控訴審も地裁判決を支持し、最高裁判所の判断に委ねられました。

 

過去の入国禁止事例

歴史を遡ってみると、実は、特定の国に対して、原則入国禁止をする政権はアメリカにもありました。たとえば、キューバに対する制裁として、キューバ人の入国を制限した過去があります。

このような例にあるように、国は政治的に、特定の国からの入国を制限することは、アメリカだけでなく、各国でもなされているという事実はあるわけです。
ですので、安易に、「国を一括りにして制限をするのはよくない」という批判は妥当ではないわけです。

 

大統領令の政治的背景

しかし、今回このような論争になっているのは、トランプ大統領の大統領選挙中および、就任直後の発言に端緒を求められるのかもしれません。
すなわち、トランプ大統領は、「テロは許さない」というだけではなく、「イスラム信者をアメリカにいれるな」と言った発言を繰り返していて、政策の目玉の一つにしました。そして、今回の大統領令が出たわけです。

人の信じる宗教を軸にして打ち出したスローガンに沿った内容の大統領令が出た、ということで、宗教に基づく差別的な大統領であるのではないか、という議論が沸騰し、訴訟に至ったわけです。

 

連邦最高裁判所の議論

最高裁判所の議論も割れました。
保守派と呼ばれる4人対リベラルの4人、それにどっちにも転ぶ1人という構図で、結局5対4で大統領令の支持に至りました。この判決のあと、「どっちにも転ぶ1人」が退官を発表しました。

アメリカの憲法の仕組みとして、大統領が最高裁判官の指名権を持っていて、議会の承認が必要となりますが、トランプ大統領が代替えの保守派を据えるということは間違いありません。そうすると、今後は議論も割れずに5対4の構図が続くことになるのではないかということが、今論点になっています。

 

合憲とした判事の判断理由

さて、今回問題となった大統領令について、保守派の判事5名はどのような理由で「問題ない」としたのか、考えてみましょう。

まず、大統領が今回の大統領令のように、国を指定して入国を禁止できるのかを論じています。この点については、上記でも触れましたが、「問題はない」という結論になります。アメリカ憲法では、移民法については議会が法律を制定できるとして、現存する移民法には(8 U.S.C  Section 1182(f))、大統領が一定の範囲を定めた外国人がアメリカに入国することによって、危害が発生すると判断した場合には、入国を禁止できる、と規定されています。細かい議論も最高裁判所でなされていますが、基本的に、大統領は外国人の入国に関して広汎な裁量をもっている、ということになろうかと思います。日本でもマクリーン事件という判例がありますが、類似した解析方法です。

次に、今回の制限は適法かどうか、という点が問題になります。ここから次回続けていきたいと思います。

夏ですね。ベイエリアも暑いですが、他の地域もかなり暑いようです。夏バテしないように気をつけてまた一週間がんばっていきましょう。日本では大雨の災害もあり心配ですし、暑さも尋常じゃないようです。影響されている方々の無事を祈るばかりです。


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アメリカで万引き、移民法上の影響は?[3]_1112





法律ノート 第1112回 弁護士 鈴木淳司
June 02, 2018

ラジオですでに今年最初の台風がアメリカ沿岸で発生したと報じていました。雨も少なくここ数年天候の異常による火事などの自然災害が続いていますが、今年はどうなることやら、です。
カリフォルニア州はかなり乾燥した夏になりそうで、もう少し雨が降ってくれると良いと思っているのですが。ベイエリアはプロバスケットボールの試合で盛り上がっていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

アメリカで万引き、移民法上の影響は?[3]_1112
さて、今回も前回に引き続き、次の質問を考えてみます。
「私の配偶者(妻)についての質問です。私(夫)は日本からアメリカに赴任しています。妻も私と一緒に一昨年から渡米してきました。子供はいません。私は忙しく家を空けることも多いことも影響していたのかもしれないので、反省していますが、妻が万引きで裁判になるようです。妻はストレスから商品をポケットに入れてしまったということです。商品は高額なものではありませんでした。このような事態になった場合、法律上どのように扱われるのでしょうか。また移民法の観点も心配しています」という質問です。

 

万引きを移民行政の視点で考える

前回までで、司法的な観点で考えましたが、今回は移民行政の観点から考えてみたいと思います。

まず、今回質問をされている方のように一時的にアメリカにお住まいの方は、ビザまたは永住権などをもってアメリカに滞在されていると思います。
すなわち、アメリカのパスポート(市民権)を持たない状況でアメリカに滞在されていることになります。
こういった方々はアメリカから見ると「外国籍」ということになり、市民権保持者とは別の移民法が適用されます。

 

市民権者か、ビザ・永住権滞在者か

米国籍の方であれば、前回まで考えた司法による判断を受ければその事件に関することは終了といっても良いのですが、外国籍の外国人であると、移民法の絡みも考えなくてはいけません

移民法はかなり入り組んだ規定がなされています。
毎年のように法律がかわり、基本的には移民行政を律する法律ですから、行政の通達や、大統領令によって運用が変わります。

 

移民法の運用は厳しさを増している

もちろんみなさんご存知でしょうが、現政権は移民行政に関し、今までにない厳しさで入国制限をしていますし、現に移民に関する大統領令もいくつか出されているので、移民法そのものが変わらなくても、移民行政の運用はかなりドラスティックに変わってきています。

 

強制送還事由に該当するか

外国籍の方々に移民法は適用されるのですが、その内容としてひとつ挙げられるのが強制送還事由に該当するかどうか、という論点です。

ここで注意が必要なのは、アメリカ国外にいる外国人にビザ・永住権が発給されるかどうかを判断する入国禁止(Inadmissibility)事由と、すでにアメリカ国内にいる外国人をアメリカから自国に強制送還(Deportation)する強制送還事由とは、2つ別のものであるということです。

今回は、すでにアメリカ国内にいる外国人が強制送還されるかどうか、という論点なので、強制送還事由に絞って考えたいと思います。また、皆さんから、移民法に関する質問を待って、入国禁止事由については考えたいと思います。

 

窃盗が原因で強制送還はあるのか

さて、今回のような窃盗事例、いわゆる万引き事例について強制送還があり得るのかどうか以下考えていきたいと思います。

まず、一般的に強制送還になりえる根拠はいくつかありますが、刑事事件で有罪になった場合に一定の要件を満たしてしまうと強制送還になることがあります。

はじめに、一般論を考えていきます。移民法上強制送還になる場合は主に以下の2つの場合があります(8 USC § 1227(a)(2)(A) 参照)。

まず、一つの罪で強制送還事由になる場合があります。

(1)有罪となり、
(2)道徳違背の罪に該当する場合、
(3)法定刑が1年以上の場合、
(4)アメリカ入国より5年以内に(1)となった場合
です。
この5つの要件を満たすと強制送還になる可能性があります。

もうひとつの場合は、
(1)2つ以上の有罪となることで、
(2)2つ以上の罪が包括的にひとつの行為ではなく、独立した2つの行為から有罪になっている、という場合に強制送還になる可能性があります。

この法律をみると、1つの罪で強制送還とするには、色々要件を揃えないといけないわけですから、逆の立場、すなわち弁護士から見ると色々防御をする方法も見えてきます。

次回、今回の事由を使って、この2つの罪の要件についてさらに考えていきましょう。

カリフォルニアは天気の良い週末になりそうです。太陽を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカで万引き、移民法上の影響は?[2]_1111




May 31, 2018

今週、アメリカの大ヒットドラマの主演女優が、ソーシャルメディアへの人種差別的な書き込みで大問題になっていますね。その女優は自己の行動を薬のせいにしていましたが、製薬会社も対抗して、「人種差別的な行動はその薬の副作用とするデータはない」と反論していて苦笑いしてしまいました。良い年をして、見苦しい言い訳をしたり、他人のせいにすることを平気だと思う人が理解できないのですが。口は災いの元といいますが、現代ではSNSは災の元でしょうか。

アメリカで万引き、移民法上の影響は?[2]_1111

さて、前回考え始めた質問です。
「私の配偶者(妻)についての質問です。私(夫)は日本からアメリカに赴任しています。妻も私と一緒に一昨年から渡米してきました。子供はいません。私は忙しく家を空けることも多いことも影響していたのかもしれないので、反省していますが、妻が万引きで裁判になるようです。妻はストレスから商品をポケットに入れてしまったということです。商品は高額なものではありませんでした。このような事態になった場合、法律上どのように扱われるのでしょうか。また移民法の観点も心配しています」という質問を続けて考えていきましょう。

実は今回の質問を見て、私の友人弁護士も現在同じような事件を扱っていると、教えてくれました。 このような冷静にみると他人に迷惑をかける窃盗事件ですが、周りが見えなくなってストレス発散のために万引きに走ってしまうような事例は実際多いのかもしれません。

 

法上の3類型ー重罪・軽罪・微罪ーカリフォルニア州の場合

さて、窃盗犯はアメリカの一般的な犯罪の分類に従って、重罪(Felony)、軽罪(Misdemeanor)、そして微罪(Infraction)と3つのカテゴリーにまたがって成立し得るというところまで前回考えました。

この分類についてカリフォルニア州の刑法を考えてみましょう。

まず、損害の総額が950ドル以上か以下かが分岐点になります。
950ドルを超えない窃盗は、軽微窃盗(Petty Theft)と呼ばれ、950ドルを超える窃盗は加重窃盗(Grand Theft)と呼ばれます。

軽微窃盗については、初犯であれば、微罪になる可能性はありますが、犯罪被害が少額な場合に限られます(カリフォルニア州刑法第491条参照)。軽微窃盗といっても、再犯(2度以上、窃盗で起訴されるようなケース)であったり、行為の重大さによっては、軽罪にもなり得ます(カリフォルニア州刑法第487,488条参照)。

犯罪被害額が950ドルを超えると加重窃盗という罪(同487条参照)で起訴される可能性があります。加重窃盗は、初犯の場合最高で3年の禁固刑となり、重罪または軽罪として処断されます。微罪はありません。

今回質問されているケースでは、たぶん軽微窃盗犯として処断され、再犯でなければ、罰金と場合によっては保護観察処分で終了するようにも思えます。
ただ、移民関係への影響は次回以降考えます。

 

微罪と軽罪の違い、そして移民法上の取り扱い

ここで、微罪と軽罪の違いを考えておきましょう。

微罪というのは、基本的に罰金のみで終了する罪をいいます。
保護観察処分が付される場合もありますが、罰金のみです。そして、決定的に軽罪や重罪と違うのは、微罪であれば犯罪記録として残らないということです。

ただ、気をつけておきたいのは、州の犯罪歴に残らないということと、移民法などの行政関係で報告義務があるかどうか、というのは別問題であって、この点は次回詳しく考えたいと思います。

どの罪で起訴するかは検察官の裁量

上記で、犯罪被害額によって起訴される罪が変わってくるということを考えましたが、どの罪で起訴をするかどうかを決める権限は、検察官が持っています。

したがって、事例によって加重窃盗に該当しても、検察官の裁量で軽微窃盗として起訴されたりもします。かなり軽微な事例や被害に関する対応によっては、起訴が猶予されることも考えられます。

ですので、逮捕されたときから、早めに行動のはやい弁護士に相談されたほうがベターかもしれませんね。

本ケースの場合

今回質問されている方(その奥様)は、たぶん微罪になるようなケースだと思います。
ですので、罰金だけ支払えば、州政府の記録として罪としては残りません。
ただ、再犯の場合には、「前科」として考慮されることになります。

司法上と行政法上の取り扱いの違いにも注意

それから、行政の観点から見ると、たとえ、司法において微罪とされても、影響がでる場合があります。

典型的な例がスピード違反でしょうか。悪質なスピード違反でなければ、通常は微罪として処断され、罰金のみで事件は終了します。

一方で、行政の観点からは違っています。違反行為は記録としてしばらく残り、点数が増えると免許停止処分などが行われるので、行政の記録は残るのです。

移民法に関しても独自の考え方がありますので、次回考えていきましょう。

陽気が良くなってきましたが、まだ朝晩は冷え込みます。風邪に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカで万引き、移民法上の影響は?[1]_1110




May 20, 2018

私も数ヶ月なぜだか咳が止まらない状況が続き、医師と相談しながらやっと回復しましたが、日本でもアメリカでも、なんだかわからないけど、「咳が止まらない」という話を良く聞きます。陽気がよくなってきましたが、まだ、身体の不調の話は色々聞きます。世の中に住んでいる菌やウイルスがどんどん強くなっているようにも思います。読者の皆さんも気をつけてくださいね。

アメリカで万引き、移民法上の影響は?[1]_1110

さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
いただいた質問をまとめると次のような内容になります。

「私の配偶者(妻)についての質問です。私(夫)は日本からアメリカに赴任しています。妻も私と一緒に一昨年から渡米してきました。子供はいません。私は忙しく家を空けることも多いことも影響していたのかもしれないので、反省していますが、妻が万引きで裁判になるようです。妻はストレスから商品をポケットに入れてしまったということです。商品は高額なものではありませんでした。このような事態になった場合、法律上どのように扱われるのでしょうか。また移民法の観点も心配しています」というものです。

 

アメリカで万引き、移民法の影響も考える必要

万引き、いわゆる窃盗については以前も法律ノートで考えました。1000回以上皆さんからいただいている質問について考えていれば、いわば身近な犯罪についてはかなり考えてきていると思います。
ただ、現在は、移民法の影響も考えなければいけない状況にありますので、今一度考えても良い質問だと思っています。

 

万引き〜薬物使用と並んで多い犯罪の一つ

最近では、物品購入に関しても、インターネットによって行われることが多くなってきましたが、まだまだ量販店でのショッピングは根強いですね。特に日々使う食料や高価な物については、手にとって見なくては人間の心理として不安なこともあると思います。この心理についても、これからどんどん変わっていくのでしょうが。

よく、薬物はかなり一般の人たちも手を出しやすい犯罪であると言われています。
たしかに、薬物使用は自己に損害を与えるだけ、といった考えがあり、手軽に手を出してしまう人も多いと考えられています。

しかし、今回質問があるような万引きもかなり多い犯罪類型であることは間違いありません。

 

移民法上も深刻な影響がありうる

どのような小さな物でも、窃盗することは可能ですし、子どもから老人まで犯罪加害者になり得ます。
かなり身近といえば身近な万引き事例ですが、以下考えるように、ちょっとした犯罪だと思われがちである割に、移民法上の影響も含めて、深刻な結果を惹起する可能性があります

 

万引きの刑事法上の位置付け

まず、万引きについて刑事的な観点から考えていきたいと思います。

万引きというのは、一般的な言い方であって、窃盗(Theft)というのが法律的な言い方であります。日本では窃盗というのは包括的に刑法235条で規定されています。懲役から罰金まで量刑は用意されています。幅があるのです。

アメリカでは、各州によって窃盗が定められています
色々な定められ方があるのですが、被害の額、行為の方法(住居侵入かどうかなど)、など色々な要素を元に類型化されています。
実は日本でも、古い刑法では色々な窃盗の類型はあったのですが、現在は包括的な規定になっています。

 

刑法の3類型ー重罪・軽罪・微罪

さて、アメリカで類型化されているといいますが、まず、アメリカの刑法の基本である、重罪(Felony)、軽罪(Misdemeanor)および微罪(Infraction)という3類型に窃盗も分類されます。

重罪というのは、一般的に1年以上の禁錮が量刑で用意されている罪をいいます。
軽罪は1年以下の禁錮または罰金、微罪は罰金刑のみが用意されている罪をいいます。

一般的には、人の身体生命に関わるような罪については、重罪とされています。皆さんの身近にある軽罪としては、飲酒運転や薬物使用などがあります。

微罪の典型例はスピード違反などが考えられるでしょうか。この3段階の罪の設定が窃盗罪にも当てはまります。

 

次回続けて考えていきたいと思います。
夏に向かってスポーツも本格的に盛り上がってきましたね。身体を動かしながらまた一週間がんばっていきましょうね。

 


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社員が無断で仕事をかけ持ち。会社として対応は?[1]_1100




May 03, 2018

週末にかけて、サンフランシスコ近郊で女子プロゴルフ大会が開催されていました。なかなかないチャンスなので出かけました。かなり海沿いは風があったのですが、プロの打つ計算されたショットに感心していました。日本人でも単身アメリカでチャレンジしている10代の選手がいて、上位に食い込んでいました。まだまだチャンスはありそうですので、本当に若い日本人に海外でがんばってもらいたいと思いました。皆さんは好天気を利用され何かされましたか。

 

社員が無断で仕事をかけ持ち。会社として対応は?[1]

さて、今回から新しく皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。

いただいている質問をまとめると、「日系企業のアメリカ支社で社長として赴任している者です。最近、当社の人事担当に、素行が不自然な従業員がいるということを、他の従業員を通して情報が入りました。情報を集めていると、どうも当社の仕事以外にも仕事を掛け持ちしていることがわかりました。他の仕事をしているため、日中集中できないこともある様子です。本人に問いただすと、何も言わず数日無断欠勤をしました。その後また出社してきたので、ミーティングを持ちたいと人事担当が告げたところ、弁護士同席でないと嫌だと拒否されました。こういった場合、どのように対応するのが会社側としては妥当なのでしょうか。」というものです。

 

本来の業務パフォーマンスに影響、アプローチはどこから?

かなり内容が長かったので、私ができるだけ一般化して短くしました。
つまり、今回の質問は、仕事をいくつか掛け持ちして、一つの仕事に対してパフォーマンスの影響があるので、それを糺したい、ということと、無断欠勤をしたことに関して、懲罰したいという内容だと思います。私の捉え方が間違っていた場合、質問をされた法律ノートの読者の方はもう一度指摘していただけると幸いです。

 

兼業・フリーランスの広がり

さて、まず今回の質問を考えていくうえで、基礎となりそうなポイントを考えていきたいと思います。

今回質問の内容となっている兼業から考えていきましょう。

兼業とは、本業の他にほかの業務、つまり副業を持つことをいいます。

今の時代、副業をいくつも掛け持ちしている人も少なくないですし、若い人でも、「フリーランス」として、いくつもの副業で生活を賄っている人も多くなってきているみたいです。私が知り合いから聞いている若者も、動画を制作しながら、タクシーサービスを行い、住んでいるアパートの一室を大家に黙って日毎転貸しながら生活しているが、毎日規則的に生きなくて良いので楽で良いそうです。時代は変わってきたものですね。そのうち学校も毎日行かなくて、好きな時間にビデオを見ていれば良いなんてなってしまうと、社会が崩壊しそうですが。

 

法律で絶対に禁止されている事項ではない

少々横に逸れましたが、基本的には法律で兼業は禁止されているわけではありません
ですので、他に禁止される理由がなければ、人は兼業しても良いのです。

一方で、兼業が禁止される場合がいくつかあります。
一つは、公務員や特殊な公務を扱う職業については、日本でもアメリカでも兼業が制限されています。公的な仕事に就いている場合には、その仕事に専念してください、という理念があるからです。

もう一つ大きな禁止の理由は、私企業が就業規則などで兼業を禁止する場合があります。日本の企業ではまだ多くの兼業禁止規定もありますし、アメリカでも企業によっては禁止規定を維持しているところもあります。

ただ、これは、企業ごとの判断になりますので、各々の企業の規則などを確認する必要があります。このような禁止する根拠がなければ、原則として兼業は自由ということになります。
最近では、インターネットを通しての兼業が盛んですし、生活のため、趣味のためなどの兼業が盛んになっているようですので、兼業の機会も増えてきますし、奨励する企業も出てきていますね。

次回ここから考えていきたいと思います。弁護士の同席も基本的にはどうなのか、かんがえなくてはなりません。これらを踏まえて今回の質問をみなさんと一緒に考えていきましょう。
気持ちの良い日が多くなってきましたね。緑を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。

 


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日米の経営判断の違い(1)-日本人にとっての「和」_1105




 

日米の経営判断の違いに関する一考(1)―日本人にとっての「和」
April 15, 2018

今、アメリカと中国で経済戦争的な様相を呈していますが、これも中国経済の近年における著しい発展あるからです。日本経済は神武景気と言われ急成長を遂げた時代は過去のもので、現在は冴えない経済状態にあるように言われます。
もともと日本は、中国(世界の中心となる国)に比べてずいぶん小さな国でしたが独自の文化を育んできました。もちろん、大部分の文化は大陸から輸入されてきましたが、それはわかっているだけでも1500年以上前からはじまったことです。
したがって、日本が「独自の文化」を作ってきたということは胸を張って言えることです。

「平成」という元号ももうすぐ変わりますが、その前は「昭和」と呼ばれていました。「和」という言葉は日本人には重要なフレーズです。Peaceも日本語訳は「平和」ですね。
先日、私の古くからの友人が「よく言う、日本人は和を大切にするというのは、結局はその場しのぎだもの。」というニュアンスのメールを送ってきました。
彼の名誉のために言っておきますが、日本でいわゆる優秀な大学を出て、いわゆる優良企業で海外でも活躍してきた人です。この日本人の友人が「和」について疑問を投げかけているのです。

なるほど、「和」か、と思い、法律家の観点で考えると、「和解」などはよく使われますし、日本の憲法には「協和」、民法には「混和」などという「和」が入った用語があります。「和」というのは、聖徳太子が制定したとされている十七条憲法の条文の冒頭に「以和爲貴」と書かれています。この「和」ですが、聖徳太子が輸入したのですが、それよりももっと前に論語に、「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」とありました。私は法律には詳しいのですが、言語や歴史の学者ではないので、偉そうなことは言えませんが、「和」という用語は、「決して阿(おもね)ってはいけないし、怒ってはいけない」という意味があるとおもいます。もちろん、これだけではなく、「和」について説明したら、色々な見識者が色々な説明ができると思います。今では、「和洋折衷」などと普通に言いますが、これらの意味合いは聖徳太子が生きていた時とは違った使い方なのかもしれません。時代が変われば当たり前でしょうか。

ここで、興味深いのは、前述の友人はとにかく「和」に違和感を覚えています。優秀な日本人であり、DNAには深く「和」が刻み込まれているはずの人なはずです。

最近は、外国人も多く日本にいますし、情報がインターネットにいくらでも載ることから、日本企業に対する「意識改革をせよ」といった論調の記事を多く見かけます。日本人の論者が「日本の企業の企業判断は遅く、世界についていけていない」と言った論調も良く目にします。西洋の価値基準でバルブ以降の日本を見ると、そういうことになるのでしょうか。

私も二十年以上弁護士として、日本の企業とかなり付き合ってきました。上場企業もあれば、中小企業もありましたが、はっきり言って拙速な経営判断をする企業であればあるほど、アメリカに進出しては、撤退していったように思います。

色々なハウツー本は溢れているのでしょうが、私が今まで見てきたなかなかで、経営判断は自分自身と違った(批判的な)考え方を受け入れて咀嚼し、方向性を設定できるか、ということが一番重要です。
次に重要なのは、すぐに食いついて利益を上げることではなく、将来を見据えて判断ができるか、ということです。いわば「急がば廻れ」、とか「急いては事を仕損じる」といったことでしょうか。

この二点を様々な角度から吸収している経営はうまくいっています。
ハウツー本を買っても経営はうまく行きません。それは一人ひとり状況や考え方が違うわけです。松山英樹がジャック・ニクラウスの本を読んでも、参考にはなってもそれだけのことです。

次回続けていきたいと思います。

 

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チェーン・イミグレーションの規制(2)_1100

法律ノート 第1100回 弁護士 鈴木淳司
March 10, 2018

日本ではもうすぐソメイヨシノが咲き乱れる季節ですが、先日面白いことを聞きました。新年になってから毎日の最高気温を加算していって、600度に達するとぴったりソメイヨシノは咲くそうです。開花予想もこの法則を使っているとか。アメリカの桜はずいぶんはやく咲きますから当てはまらないのかもしれませんが、面白い説があるものですね。皆さんは、季節替わりの風邪や花粉を乗り越えられていらっしゃいますか。

チェーン・イミグレーションの規制(2)_1100

前回から「最近、トランプ政権が、アメリカに移住した人の家族を呼び寄せることを制限しようとしていると聞いています。私も、アメリカ人男性と結婚して永住権を保持しアメリカに住んでいるのですが、親を呼び寄せよせて同居しようと考えています。現状では、状況は難しくなっているのでしょうか」という質問を考えてきました。いわゆるチェーン・イミグレーションの規制ということで、前回はそのコンセプトと現状について概観しました。

今回は、実際に現在チェーン・イミグレーションについて、どのように実務では運用されているのか、考えていきましょう。

まず、待ち時間もなく、すぐに審査され結果がでるカテゴリーがあります。
米国市民の両親、配偶者、21歳未満の子については、いわゆるウェイティング・タイム(審理開始までの待機時間)がないので、6ヶ月から1年程度で、永住権を取得することが可能になります。
言ってみれば、家族関係が証明できれば明らかなので、審査にはそこまで時間がかからないということです。

この待ち時間のないカテゴリーに続いて、アメリカ移民法は4段階(厳密には5段階)のカテゴリーを設定しています。カテゴリーをいかに箇条書きにします。

第一順位 米国市民の21歳以上の未婚の子供
第二順位A 米国永住者の配偶者および21歳未満の未婚の子供
第二順位B 米国永住者の21歳以上の未婚の子供
第三順位 米国市民の既婚の子供
第四順位 米国市民の兄弟、姉妹

このように、順位が法律により決まっているのですが、順位によって、かなり永住権の許可を得る時間に差がでてきます。
現在の実務においては、第二順位Aが、一番短いのですが、それでも数年かかることは常識です。
そして、第三順位、第四順位に関しては、かなりの審査時間が予想され、申請数や、行政の処理の進行などが影響して、その時々によって、審査時間はだいぶ変化するのですが、第三、第四順位については、現状10年以上かかるときもあります。
この順位は政策的に設定されていて、審査待機時間はかなりかかるという現状は把握されたほうが良いと思います。

順位によって、取得時間は変化するのですが、現状では現政権の移民厳格化の方針はあまり家族ベースの永住権取得には影響していません。
大統領の夫人自ら、この方法を利用して自分の両親をアメリカに移民させていますし、審査の内容にしても、就労ベースに比べて茶々が入れにくいという現実があります。しかし、法律自体の変更を現政権は求める可能性は捨てきれません。

今回質問されている方は、永住権を取得して、親を呼び寄せたいということですが、永住権をベースにして、親を呼び寄せるという順位は法律上設定されていません。
そうすると、いったん永住権を取得し、3年待って、アメリカ市民権を申請し、その許可を待ってから、親を呼び寄せるということが可能です。
永住権だけでは、申請はできないということになります。

したがって、すぐに親を呼び寄せることはできず、親をすぐに呼びたい場合には、なんらかの非移民型のビザを考えるしかないと思います。
また、永住権を取得するだけでは、数年は親の呼び寄せはできませんので、ご自身のステータスについて、良く考えてから市民権を申請する必要がでてくるわけですね。

以上で、家族ベースの移民法に関して概説しましたが、今回質問されている方は、永住権を取得するだけではなく、市民権の取得を前提に考えなければならないという状況だということが法律上決まっているということをわかっていただけたでしょうか。
チェーン・イミグレーションというのは、法律で決まっていますので、綿密な計画を専門家と話し合って、継続して考えて行かなければならないと思います。

次回、新しくいただいている質問を考えていきましょう。また一週間、花粉と戦いながらがんばっていきましょうね。

チェーン・イミグレーションの規制(1)_1099




 
法律ノート 第1099回 弁護士 鈴木淳司
March 3, 2018

雨が多いですが、日本でもアメリカでも「三寒四温」の季節でしょうか。風も強いですが、いよいよ本格的な春が訪れるのでしょう。寒い冬を耐えてから咲く花には本当の力強さを感じてマジマジと見てしまいます。この力強さというのは、人間の心に響きますね。皆さんは春の兆しを楽しまれていらっしゃいますか。

チェーン・イミグレーションの規制(1)_1099

さて、今回から新しくいただいている質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。
いただいている質問をまとめると「最近、トランプ政権が、アメリカに移住した人の家族を呼び寄せることを制限しようとしていると聞いています。私も、アメリカ人男性と結婚して永住権を保持しアメリカに住んでいるのですが、親を呼び寄せよせて同居しようと考えています。現状では、状況は難しくなっているのでしょうか」というものです。

トランプ政権は、いわゆる「チェーン・イミグレーション」を批判し、規制しようとする方向にあります。移民制限の厳格化が止まりませんが、その一環です。
本来の保護主義と趣旨が違うとは思うのですが、アメリカ国民が選んだ大統領の採る方針であります。

さて、今回は一般的にチェーン・イミグレーションとはなにかについて考え、次回実際に現在の移民法はどうなっているのか考えていきましょう。

外国人が永住権を取得する方法は、いくつかありますが、代表的なものは、
(1)就労を通して取得するもの、
(2)家族をとして取得するもの、そして
(3)難民認定を通す方法
があります。
今回の質問者は(2)を基礎として永住権を取得しているようです。

チェーン・イミグレーションというのは、永住権を取得するときに、自分のみではなく家族も永住権の取得を可能にする制度です。
一番多い例が21歳以下の子が同時に永住権を取得する例でしょうか。

次回詳しく考えますが、いわゆるチェーン・イミグレーションというのは、未成年の子だけではなく、たとえば、親や兄弟なども一人の永住権取得を中心にして永住権申請を行うことができる制度を指します。この制度を利用して、多くの「家族」がアメリカに移住してきています。

これ自体は、家族の絆を尊重することなので良いのですが、トランプ政権は、マイナス面に着目しています。
たとえば、一度に多くの家族が移民として入ってくると社会保障の負担が増すといった面です。また、根拠もなく、移民が増えると犯罪が増えるという考え方も垣間見えます。
もちろん、反移民のトレンドはアメリカだけではなくヨーロッパでも高まっていることは事実です。

今回質問されている方のように、親の呼び寄せなどが今後制限されてくると、かなり家族関係にヒビが入る可能性があります。
いろいろなシチュエーションがあると思いますが、家族が離れ離れになることで支障が発生しかねません。

ただ、チェーン・イミグレーションに関する事項は法律によって規定されています。単なる、規則でも大統領令でもありません。
したがってアメリカ連邦議会の両院議決がなければ変更されることはありません。
現状では、かなり議会は対立している状況ですし、中間選挙が今年行われますので、その結果によってはまたガラッと状況が変わってくるかもしれません。とにかく、トランプ政権が、チェーン・イミグレーションを批判したとしても、それだけでは現在の法律がすぐに変更されるわけではありません。かりに、現在の法律に抵触するような大統領令がでたとしても、また裁判で争われるようになる可能性も十分に考えられますね。

よく理解できないのは、今のトランプ夫人はスーパーモデルとして永住権を取得しています。そして、自分の両親をアメリカにチェーン・イミグレーションさせているわけです。これについては、メディアの質問にもまったく応えていませんので詳細はわかりませんが、トランプ氏は自分の家族に関しては差し置いて、他人の家族に関する移民政策については口を突っ込むところが矛盾しています。

次回、家族をアメリカに呼び寄せる方法について皆さんと一緒に考えていきましょう。
私はまだ、風邪の治りが悪いのですが、皆さんはくれぐれも注意して、また一週間がんばっていきましょうね。

 

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