アメリカにある不動産の相続(1)_1174


 

法律ノート 第1174回 弁護士 鈴木淳司

August 19, 2019

 最近人気のある渋滞回避プログラムをスマートフォンで使っているのですが、頼ってしまうと、周りの人が皆使っているので、結局渋滞を回避できなくなってきています。ベイエリアは田舎に行くと、まだまだたくさん家が建ってきていますから人工は増加の一途だと思います。一方で、道路の拡張等が追いついておらず、以前は混まなかったところも混んできているように思います。
 景気が良いのは良いことなのでしょうが、以前から住んでいる人たちにとってはとても頭の痛い問題ではあります。みなさんがお住まいの地域はいかがでしょうか。


アメリカにある不動産の相続(1)_1174


 さて、今回から皆さんからいただいている質問を新たに考えていきたいと思います。

今回取り上げる質問をまとめると「日本在住の日本人です。カリフォルニアの親族が死亡し、不動産を相続することになったのですが、どうもカリフォルニアで公証をしなければならない書類があるらしいのです。私自身はあまり時間がないためアメリカに行くことができません。公証に代替えする方法はないのか不動産業者に尋ねているのですが、あまり良い返答はもらえません。このような場合にどのような対応方法があるのか教えて下さい。」というものです。


公証が必要?


 日本にずっとお住まいの方がアメリカの不動産を相続するというのは、かなりよくわからない状況に遭遇されているのだと思います。書類も段取りも違うわけですから、大変な状況はよくわかります。今回の質問はいくつかの書類に公証が必要だということですが、公証について考えていきたいと思います。

 まず、公証というのは、アメリカではノータリー(Notary)と呼ばれています。
 日本の法務省のサイトでは「公証制度とは,国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ,私的法律関係の明確化,安定化を図ることを目的として,証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度です」と書かれています。

 簡単に言えば、書類にサインをするときに、関係のない第三者が実際にサインをする人が当事者であるのか確認し、当事者は宣誓し、さらにサインをしたのはその本人で間違いないことを証明してもらう制度です。

いわゆる書類にサインをする人が、そこに記載されている人と同一人物であるのか確認しているわけですね。

 英米法の制度については、ローマ帝国のScribaeという人たちで構成される団体があり、司法制度上の事実などを書き写していたことが起源のようです。その時代に読み書きができる人たちですから、かなり教育を受け学んだ人たちの集合体だったのでしょう。

 現代ではどうでしょう。


米公証制度はハードルが低い


 カリフォルニア州では、ある程度、手続きや関連した法律の試験を受け、州に登録することで、公証人になることができます。原則として、市民権保持者と永住権保持者が公証人になれます。

 カリフォルニアでは、公証人になるには、それほどハードルが高くないので、たとえば洗濯屋さんが副業としてやっていたり、不動産業者や法律事務所のなかでも、資格を持っている人たちもいます。宅配業者のオフィスなどでも資格をもっている人たちも多く在籍していますね。公証にかかる費用も20ドル程度だと思います。

 一方、日本における公証制度というのは、お約束通りというか格式張っていて、重要な行政の仕事ということで位置付けがされています。公証人というのは、アメリカのように誰でもテストを受ければなれるような雰囲気ではなく、元裁判官や検察官がその仕事をしています。言い換えれば、裁判官や検察官の天下り先になっているのです。アメリカよりはかなりアクセスする敷居は高い印象があります。


公証が義務付けられる場面も多い


 日本でもいろいろな場面で公証制度を使いますが、アメリカでもかなり広範な場面でNotaryが必要になります。のちのち「あ、俺、そんな書類見たこともないし、サインしたこともないよ」というシナリオを避ける目的があるので、基本的にどのような書類にも公証を要求しても何も問題はないのです。

 私的に、契約の相手方に公証を求めるケースも多くありますが、アメリカでは、信託の作成時、それから、不動産の名義を移転するときなどには、法律上公証が義務付けられています。今回の質問も、相続を理由として不動産の名義を移転するという例ですので、アメリカでは一般的に公証が必要になってくるわけです。

 次回続けて考えていきましょう。

 もうアメリカでは学校もはじまる季節ですね。社会人には関係ありませんが、大学の近くを通ると、新入生が家族と不安げに歩いているのをみかけます。もうすぐ秋が来るのでしょうか。とはいえ、まだまだ暑い日が続きますので、夏の思い出を作りながらまた一週間がんばっていきましょうね。

 

 


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