会社の執行役員/取締役になる。責任は?(1)_1149





法律ノート 第1149回 弁護士 鈴木淳司
Feb 26, 2019

いやはや、ベイエリアの雨はすごいです。立て続けに雨風がやってきて、夏は水不足、冬は水過多という歪な気候になってきました。20年前とは確実に違っているわけで、気候の変動は否定できないと思います。せっかく桜や梅が咲いているのに、雨に濡れて花が落ちてしまうのはとても可哀想です。草木も気候が変だとびっくりしているのではないでしょうかね。みなさんのお住まいの地域でも、「変わったなぁ」ということがあるのでしょうか。

 

会社の執行役員/取締役になる。責任は?(1)_1149

さて、今回から皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、以下の通りです。

「私は日本からの海外赴任としてアメリカにいた後、現地会社に転職しエンジニアとして働いていて昨年リタイアしました。リタイアしてから、自分でコンサルタント業をしていたのですが、最近カリフォルニアの会社から誘いがあり、会社の取締役と執行役員になってほしいと頼まれました。もう、リタイアしているので、あまり責任等を負う立場は嫌なのですが、仲も良いオーナーから誘われているので断りにくいこともあります。まず、アメリカの会社で取締役と執行役員というのはどのような責任を負うのか。そして、その責任をできるだけ負わないように注意すればよいのか、ということを知っておきたいのです。」というものです。

かなり長い質問をいただきましたが、具体的な部分は割愛させていただきました。具体的な部分は、やはり弁護士に直接相談されたほうがよいと思い、そのように返信させていただきました。
法律ノートでは一般的な内容になりますが、今回の質問メールをくださった方がどこかに相談に行かれるにしても、基礎的に持っておいた方が判断しやすい内容にしていきたいと思います。

 

会社の成り立ちの違い-アメリカと日本

さて、アメリカにも日本にも「会社」というものがありますが、日本はもともとの法律がヨーロッパから輸入されているので、英国から独立した反抗心?を持った人たちが作ってきた法律とは少々、「会社の」建付けが違っています。2000年代に入って日本でも会社法が改正され、ずいぶんアメリカ的な組織をつくることが可能になってきたのですが、伝統的には違いがあるので、まず組織的なことを簡単にみていきましょう。

 

取締役の違いーアメリカと日本

会社の組織に関する法律は、国ではなく各州の法律によって規制されています。しかし、同じ国の中での話ですから、そこまで違いがあるわけではありません。ここではカリフォルニア州の法律を使って考えていきましょう。

カリフォルニアで会社をつくると、ダイレクター(Director)と呼ばれる人たちを任命しなければなりません。これは、日本の取締役に類する立場です。

役割もある程度日米で似ていて、一般的な理解としては、経営に直接タッチするわけではなく、経営の大きな面を取締役会(Directors’ meeting)で決めるということになっているわけです。ここまではあまりに日米で変わりはありません。

 

役割分担ー経営の方向性を決める人、実際に執行する人

伝統的には日本では、取締役の中から、直接経営をして、業務を執行していく人たちを選んでいきます。「代表取締役社長」というのは、取締役会を仕切る取締役で経営も長ということになります。

一方で、アメリカでは、取締役会はあるのですが、取締役会から任命された、別腹の人たちが会社を経営していきます。ということは、経営の方向性を決める人たちと、実際に経営する人たちを法律は峻別してチェックアンドバランスを法律的に組み込んでいるのです。

ただ、実際は一人会社すなわち、株主、取締役、執行する役員は全員同じ一人でも会社は設立できますので、ある程度大きな会社になれば、経営の方向性をつくっていく人たちと、実際に経営を実行していく人たちと分けることによって健全な管理体制をつくっていこうというバックグラウンドがあるのです。

そして、2000年代の日本の会社法改正によって、アメリカのように、経営の判断をする取締役会と経営を実行する社長以下の権限を分けるような建付けが法律によって導入されました。なので、様々な意見を会社の経営判断に反映させようということで、社外取締役の導入が活発化してきたのです。

アメリカでは、通常取締役会というのは、兼業している取締役も多いですし、弁護士や会計士といった人も含まれてきたのですが、日本もそのような方向になっているのです。ここから、次回続けて考えていきたいと思います。

 

私は数日間雪の多いエリアに出張することになりました。雨ではなく雪の世界は寒そうですね。風邪を引かないように注意しますが、みなさんも天候が不順なので、体調にはくれぐれも注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。

 


 

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