チェーン・イミグレーションの規制(1)_1099





 
法律ノート 第1099回 弁護士 鈴木淳司
March 3, 2018

雨が多いですが、日本でもアメリカでも「三寒四温」の季節でしょうか。風も強いですが、いよいよ本格的な春が訪れるのでしょう。寒い冬を耐えてから咲く花には本当の力強さを感じてマジマジと見てしまいます。この力強さというのは、人間の心に響きますね。皆さんは春の兆しを楽しまれていらっしゃいますか。

チェーン・イミグレーションの規制(1)_1099

さて、今回から新しくいただいている質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。
いただいている質問をまとめると「最近、トランプ政権が、アメリカに移住した人の家族を呼び寄せることを制限しようとしていると聞いています。私も、アメリカ人男性と結婚して永住権を保持しアメリカに住んでいるのですが、親を呼び寄せよせて同居しようと考えています。現状では、状況は難しくなっているのでしょうか」というものです。

トランプ政権は、いわゆる「チェーン・イミグレーション」を批判し、規制しようとする方向にあります。移民制限の厳格化が止まりませんが、その一環です。
本来の保護主義と趣旨が違うとは思うのですが、アメリカ国民が選んだ大統領の採る方針であります。

さて、今回は一般的にチェーン・イミグレーションとはなにかについて考え、次回実際に現在の移民法はどうなっているのか考えていきましょう。

外国人が永住権を取得する方法は、いくつかありますが、代表的なものは、
(1)就労を通して取得するもの、
(2)家族をとして取得するもの、そして
(3)難民認定を通す方法
があります。
今回の質問者は(2)を基礎として永住権を取得しているようです。

チェーン・イミグレーションというのは、永住権を取得するときに、自分のみではなく家族も永住権の取得を可能にする制度です。
一番多い例が21歳以下の子が同時に永住権を取得する例でしょうか。

次回詳しく考えますが、いわゆるチェーン・イミグレーションというのは、未成年の子だけではなく、たとえば、親や兄弟なども一人の永住権取得を中心にして永住権申請を行うことができる制度を指します。この制度を利用して、多くの「家族」がアメリカに移住してきています。

これ自体は、家族の絆を尊重することなので良いのですが、トランプ政権は、マイナス面に着目しています。
たとえば、一度に多くの家族が移民として入ってくると社会保障の負担が増すといった面です。また、根拠もなく、移民が増えると犯罪が増えるという考え方も垣間見えます。
もちろん、反移民のトレンドはアメリカだけではなくヨーロッパでも高まっていることは事実です。

今回質問されている方のように、親の呼び寄せなどが今後制限されてくると、かなり家族関係にヒビが入る可能性があります。
いろいろなシチュエーションがあると思いますが、家族が離れ離れになることで支障が発生しかねません。

ただ、チェーン・イミグレーションに関する事項は法律によって規定されています。単なる、規則でも大統領令でもありません。
したがってアメリカ連邦議会の両院議決がなければ変更されることはありません。
現状では、かなり議会は対立している状況ですし、中間選挙が今年行われますので、その結果によってはまたガラッと状況が変わってくるかもしれません。とにかく、トランプ政権が、チェーン・イミグレーションを批判したとしても、それだけでは現在の法律がすぐに変更されるわけではありません。かりに、現在の法律に抵触するような大統領令がでたとしても、また裁判で争われるようになる可能性も十分に考えられますね。

よく理解できないのは、今のトランプ夫人はスーパーモデルとして永住権を取得しています。そして、自分の両親をアメリカにチェーン・イミグレーションさせているわけです。これについては、メディアの質問にもまったく応えていませんので詳細はわかりませんが、トランプ氏は自分の家族に関しては差し置いて、他人の家族に関する移民政策については口を突っ込むところが矛盾しています。

次回、家族をアメリカに呼び寄せる方法について皆さんと一緒に考えていきましょう。
私はまだ、風邪の治りが悪いのですが、皆さんはくれぐれも注意して、また一週間がんばっていきましょうね。

 

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