仲介契約があるのに進まない事業。何か手は?[1]_1001





 

法律ノート 第1001回 弁護士 鈴木淳司
April 7, 2016

多数の読者の皆さんから、「1000回達成おめでとうございます」ということを言っていただきました。ありがとうございました。しかし、それに続けて「2000回までがんばってください」という風に言われる方が多かったです。
あと1000回というのは考えただけでも大変そうです。法律ノートを北米毎日新聞に連載を始めた当初からの知り合いは感慨深いようでしたが、1000回の道のりは遠いようで早かったようにも思います。

また、心機一転、皆さんと一緒に法律のトピックを考えていきたいと思います。
今後とも法律ノートを宜しくお願いいたします。

 

仲介契約があるのに進まない事業。何か手は?[1]

 

さて、今回考える読者の方からいただいている質問をまとめると次のようになります。

「昨年からある商材を日本で売るために、米国の製造ベンチャー企業との間に仲介契約を締結しました。簡単にこの契約の内容を言うと、当社が仲介業者的な役割を果たして、アメリカのある商材を日本の企業に売るという内容です。そして、成約した場合には、成功報酬をパーセンテージで受け取るということになっていました。その米国ベンチャーの社長と懇意にしていたため、メモ書き程度の契約しか締結していません。当社は日本において、いくつも納入先となりうる企業を見つけてきているのですが、この米国企業は協力的ではなく、質問にもなかなか答えないですし、テスト結果などもおくってきません。契約は毎年更新となっていますが、更新についても揉めそうな状況です。このように非協力的な企業に対して法的に何か言うことはできないでしょうか」というものです。

要するにビジネスパートナーとしてビジネスを日本で展開しようとしても、必要な協力が得られないという状況のようです。

本来であればビジネスを世界展開するうえで、納入先もいくつか日本にできれば、このような仲介契約があろうとなかろうと関わる企業にとっては、プラスになるのが基本です。
何か、仲介契約そのものではなくて、ビジネスの観点から何らかの思惑が存在するのかもしれませんね。

もちろん、仲介契約そのものを今回質問されている方から見せていただいているわけではありませんので、具体的なアドバイスはできません。
具体的なアドバイスはやはり専門家に直接相談されるのが良いと思います。

 

契約の基礎となる当事者の解釈

仲介契約といっても、一種類あるわけではなく、多岐に渡ります。

よく目にするのは、不動産のブローカーが使用する仲介契約書でしょうか。そのほかにも、ビジネスにおいては色々な仲介契約が存在します。代理店的な形で納入が決まると、一部報酬が発生する方法もありますし、直接売主と買主を媒介して、その成功報酬として金銭を受け取るというパターンもあります。

アメリカでは、もともと法律で契約関係を決めるというよりは、本人たちで自由に決めた契約が契約関係の基礎となります。

ですので、今回質問されている方も、実際にどのような条項が契約書に記載されているのか、ということは最重要になりますので、契約がどのように解釈されるのか、自分なりに考えてみる必要があると思います。

 

時間軸や量的な問題

今回質問されている方の悩みというのは、せっかく契約書が存在するのに、販売の協力を得ることができないということです。

具体的には、情報のやり取りがかなり遅いことや、データの提供をなかなか受けられないということのようです。

契約自体は一年更新ということなので、12ヶ月間の間に成約または納入に向けて実質的な話合いがはじまることが報酬を受ける前提のようです。やり取りは、数週間から数ヶ月かかることもあるとのこと。一般的に、それは「遅いなぁ」とも思えますが、正当な理由があるかもしれません。

時間軸の問題や量的な問題についてはなかなか簡単に「違法」とはいえないのです。

 

ここから次回続けて考えていきたいと思います。

 

ベイエリアは夏のような日もあれば、一気に寒くなるという日もあります。天気の変化が著しい季節ですので、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。




 

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