事務所移転とサブリース契約[2]_1007


法律ノート 第1007回 弁護士 鈴木淳司
May 17, 2016




 

ベイエリアのバスケットボールチームがかなり強くて、西海岸のプレーオフまでまた勝ちあがりました。全米チャンピオンを狙えるポジションにいます。MVP選手も輩出し乗っていますね。しかし、今注目されているチームなので、ここぞ、とばかりにチケットの値段も信じられないくらい高騰し、生の試合でなく単なる大画面観戦にもお金を取るなど、拝金的になってきているのは、長期的なファンにとってはかなり複雑な気持ちになります。それでももちろん勝ってもらいたいのですが。みなさんはバスケの試合を観戦されていますか。

 

事務所移転とサブリース契約[2]_1007

さて前回から考えてきた「できれば数ヶ月中に、現在のオフィスから新しいオフィスに移ろうと思い、値段的にリーズナブルなサブリースを探しています。サブリース契約を結ぶ場合に気をつけた方が良い点を教えて下さい」と言う質問を今回も続けて考えていきましょう。

前回はサブリースといっても実際にはいくつかの種類があるということを考えました。今回は、実際に気をつけなければいけない点を考えていきましょう。

 

サブリースのタイプは大きく

前回、サブリースというのは今までの店子(テナント)が契約関係から外れて、新たに大家さんと契約関係を結ぶ場合もあると言うことを考えました。厳密に言うとこのように古い契約関係から離脱して新たに契約を結ぶのは単なるリースなのですが、以前の店子も責任を負わせるような形には新しい契約も単なるリースと呼ばず、サブリースと呼んだりします。

しかし一般的なサブリースというのは、もともとの契約関係がそのまま残っていてその物件を又貸しするという場合を指します。

 

サブリースが必要とされる背景

サブリースをするための前提となる要素がいくつかあります。

リースというのは一般的に契約期間が決まっています。
商業物件であれば、短いものであれば2,3年、長いものであれば10年などというものもあります。市場の温度、対象貸借物件の新旧、ビジネスの種類、そして当事者の力関係など、色々なファクターをもって期間は決まっていきます。

いったんリースをした場合、合意解除しないかぎり、そのリース契約期間内の家賃支払は義務として存在します。
リースというのは月にいくら支払うという契約であることは稀で、契約期間に月々の支払を乗じたものが支払額になります。月にいくら支払えるかどうかなのではなく、リース期間満額を支払えるかどうか、という視点になります。

そして、契約期間中に様々なビジネスを取り巻く状況の変遷が発生します。
端的に言えば、当該リース物件を使った事業がうまくいくかいかないか、ということです。うまくいく場合は、たとえば場所が手狭になる場合でしょうか。

うまくいっていない場合というのは家賃を支払うだけの収入が足りず収支がバランスできない、という場合になりましょうか。このような場合には、リース期間内にリースから抜けたいというインセンティブが働くわけです。このようなファクターを前提にして、大家と店子がサブリースの可否および内容について協議をするわけです。

 

サブリース契約の前提はもとのリース契約

協議をするためには、基本的にはもともとのリース契約の条項が基礎となります。
アメリカの商業物件に関するリースは、かなり詳しくサブリースの交渉や設定に関する条項が記載されていますので、転貸することは予定されていることになります。

そして、通常サブリースをするには、
 (1)大家の承諾が必要になること、
 (2)リースに記載されている内容がそのままサブリースにも引き継がれること、
 (3)もともとのリースをした当事者の義務も残存すること、
 (4)サブリースで賃借人に利益が生じる場合には、賃貸人もその利益の一部を受け取ること、

などが規定されています。

 

まずはもとの契約を吟味する

このように、もともとのリースの内容によってサブリースが決まるわけですから、サブリースをしようとおもった場合には、物件そのものを見ることももちろん重要ですが、ケースバイケースですが守秘義務契約を結ぶことを前提として、もともとのリース契約の内容を吟味することを最初にしたほうが良いということになります。

サブリースは、ほとんどの場合、元リースの範囲内のみで締結可能ということを理解してください。

 

次回続けていきたいと思います。

まだベイエリアは朝晩が寒くなる日もあり、咳をしている方々も多くみかけま
す。体調管理をしながら、また一週間天気を楽しんでいきましょうね。