事務所移転とサブリース契約[1]_1006


法律ノート 第1006回 弁護士 鈴木淳司
May 10, 2016



 

日本の憲法学者が、安保問題で現政府の考え方に不満があり、あらたな政党を立ち上げるそうです。各人、安保、ひいては憲法に関して意見を持つことは自由ですし、色々な意見がぶつかってこそ民主主義だと思います。しかし、この新しい政党の名前が「国民怒りの声」というのはどうなのだろうと思ってしまいます。怒ったら何事も負けだと思うのですが。
色々な政党の名前がでてきていますが、負の感情に直結する政党名というのは、違和感があります。どこかの復讐映画みたいな名前でちょっとがっかりです。

 

事務所移転とサブリース契約

 

さて、今回から新しくいただいている質問について考えていきたいと思います。

いただいている質問をまとめると「できれば数ヶ月中に、現在のオフィスから新しいオフィスに移ろうと思い、値段的にリーズナブルなサブリースを探しています。サブリース契約を結ぶ場合に気をつけた方が良い点を教えて下さい」というものです。

 

増加傾向のサブリース規約

特に去年の後半から今年にかけて、商業物件のサブリースが増えてきたように思います。

ベイエリアの商業物件を含めた物件の値上がりは全米一だったと思いますが、それが一服し、ビジネスの種類によっては今年に入って勢いに陰りが見え始めているようです。
コスト削減をするのに一番手っ取り早いのは、借りているスペースを又貸しすることが一案ですので、多くの企業がサブリースをはじめているという状況にあります。

このような背景があるので、商業物件について、家賃が高いオフィスから、リーズナブルなサブリースの物件に変えていこうという動きがあることも理解できますし、今回質問されている方も、そうした波に乗ろうと考えられているのでしょう。

 

サブリース、パターンは2つ

さて、サブリースをするにあたって、大きく分けて2つのパターンがあります。

一つは、本来のサブリースという意味で使われるものです。
大家がいて、賃 借人がいて、この賃借人が転貸人になって、転借人が存在するというパターンです。

このパターンですと、通常少なくとも3組の当事者が登場するわけです。大家さんとしては、家賃を払うべき賃借人をそのまま塩漬けにして責任は負わせ、さらに転借人にも家賃支払の責任を負わせるということにしておけば、不払の確率が減るわけです。
債務不履行があった場合の責任を複数の当事者に負わせられれば、下手な鉄砲も数打ちゃ当たるというわけです。

 

もう一つのパターンは、大家さんから賃借している当事者が抜けて、大家さんと直接新たに契約を締結するというものです。これは厳密にいうとサブリースとはいえません。

親ガメ、子ガ メそして、孫ガメの関係にあるのではなく、子ガメが抜けて直接親ガメと孫ガメ が契約を結ぶのですから、リースそのものになるのです。しかし、一般的には、 子ガメもある程度の責任を負っていることが多いので、サブリースにひっくるめて表現されることが多いのでしょう。

ここで、子ガメの責任とは、契約期間よりも早期に賃貸借契約を解除することの条件として、残余期間の家賃を保証し、新たな賃借人を探す、といったアレンジメントがよくあります。また、マーケットが冷えてきている場合など、早期の賃貸借解除を認めてもらうかわりに、あとから入る新たな賃借人の家賃の一部を前払うなどという場合も考えられます。

 

実際の契約に即して信頼できる業者を選定

 

このように、一般的に「サブリース」といっても、色々な形が存在する訳で、 実際の賃貸借契約や転貸借契約を見てみないとなんともいえません。
ですが、まずは以上のように、どのように当事者の関係が設定されているのかを確認する必要があると思います。

なお、サブリースに基づいて物件を借りたいと思っている場合には、できるだけ信用のおける不動産業者に頼んだほうが無難です。
なぜかという と、サブリースは少なくとも登場人物が3当事者いるわけで、2当事者にエージェントがついていて、自分だけ丸腰というのはかなり不利になる場合も有り得ます。

単なる賃貸借契約よりも、関係が複雑になるので、「サブ」といっても、 内容に注意する必要があります。

 

具体的に注意する点は次回続けて考えていきま しょう。

 

 

私も少々寄付しましたが、熊本の方々が少しでも元気になるように、皆さんも 一緒に祈ってくださいね。