セールスコール、迷惑電話を止めたい。方法は?





 

法律ノート 第1051回 弁護士 鈴木淳司
March 26, 2017

今週末、ある団体に講演に呼ばれシアトルに来ています。今週はロスアンゼルスにも出張があったのですが、同じ西海岸でも随分気候が違うものです。シアトルも春の兆しがありますが、薄着では外をウロウロできない感じです。しかし、シアトルも緑が多く、ベイエリアに比べるとのんびりしている雰囲気があって、なんだかホッとします。皆さん、週末はいかがお過ごしでしょうか。

「セールスコール、迷惑電話を止めたい。方法は?」

さて、今回から新たに皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思っています。

いただいている質問をまとめると「このところ、携帯電話にわからない番号から電話がかかってきます。その電話をとり先方が話をはじめて、対応していると、どうもバケーションの売り込みのような電話だったので、切りました。その後、同じような電話が増えて困っています。先方の電話番号が非表示というわけではなく、時には近所のエリアコードが表示されるので、取ってしまいますが、また同じ女性の声で、結局セールスコールです。このように増えている迷惑電話に対応する方法はないのでしょうか。」というものです。

 

チャットボット-コンピュータが電話をかけてくる

実は、最近警察関係の人も取り上げているのですが、いわゆる「チャットボット」というコンピュータが人間と会話をするような技術が進化していますので、セールスコールも、人間がかけるのではなく、コンピュータを通じて行われるようになりました。

人間が受話器を取ってセールスをするわけではなく、コンピュータが電話をかけてくるシステムです。

チャットボットは、もともとロボットの「ボット」と会話するという意味の「チャット」を合わせた造語ですが、アップルの製品やアマゾンの製品にも、語りかけると応えてくれるシステムが組み込まれていますね。これを悪用しているのが、今回の質問にあるセールスコールです。

 

チャットボットを使ったセールスのパターン

私も、このセールスコールを確認してみましたが、女性の声で、「ハロー」といい、しばらく無言時間が続き、「ヘッドセットを落としてしまって、ごめんなさい」から、はじまります。そして、セールストークがはじまるのです。最初に挨拶をしてから、しばらく時間をおくのは、こちらが挨拶に反応して、実際に人が対応しているのかを確認しているのです。

いったん確認ができれば、その電話番号は「生きている」ということが確認できますので、何度も番号を変え、セールスコールがかかってくるということになるのです。

 

政府も対応に乗り出したところ

昨年から特にこのような悪質なセールスコールが増えているようで、政府も対応をはじめているようです。

以前は電話番号一つを得るのにもそれなりにお金がかかりましたが、現在では、IP電話もありますし、安価でいくつもの電話番号が手に入ります。

したがって、悪質な業者は膨大な電話番号を駆使して、皆さんに電話をかけてくるわけです。そうすると、電話番号を一つ着信拒否にしたとしても、他の電話番号からまた、かかってくるという事態になりかねません。

 

セールス電話を断る登録制度ーNational Do Not Call Registry

万全な対策ではありませんが、アメリカ連邦通商委員会(FTC)が、National Do Not Call Registryという登録をする制度を設けています。

米国内の電話番号であれば、この登録制度を利用して、セールス電話を遮断することが可能です。

登録は至って簡単ですので、まず今回質問されている方や、セールスにうんざりされている方は、
https://www.donotcall.gov/register/reg.aspx
ここから、登録をしてみてください。

完全にはセールスコールを遮断できるかどうかは、わかりませんが、少なくとも、セールスコールがかかってくるのは、減ります。ただし、セールスではなく、非営利団体が業者などを使わずに、直接チャリティーを求めるコールは許されているので、すべての勧誘がなくなるというわけではありません。

電話を使ったマーケティングをする会社は、この登録制度に登録された内容を、有料で取得し(一部無料)、電話番号がブロックされていれば、電話をかけると、場合によっては課徴金を払わなければならなくなります。

あまりにも悪質な業者は、FTCに通報する必要があると思いますが、手間がかかりますね。まずは、この登録制度を利用して、様子をみることが良いと思います。

 

次回また、新しい質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。春の雨が多かった一週間でしたが、花粉に気をつけて、また一週間がんばっていきましょうね。