業界内転職。前職の悪い噂を止めさせたいが方法は?[1]






法律ノート 第1027回 弁護士 鈴木淳司
October 2, 2016

クリントン候補とトランプ候補の舌戦がありました。通常民主党は青、共和党は赤が党のカラーなのですが、候補が逆の色の服やネクタイを使用しているのは興味深かったです。
それにしても、マスコミもどういった基盤で経営されているのかで、かなり論調が違います。報道が公正というよりも、どのような情報を取捨選択するかは、一人一人の責任なのでしょうね。

「業界内転職。前職の悪い噂を止めさせたい」[1]

さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。<br />
いただいている質問をまとめると、「最近、同様の業界内で転職をしました。転職そのものはスムーズだったのですが、転職後、同僚が私の前職での行動について悪い噂を会社内で流し、居づらくなっています。上司にも相談したのですが、基本的には気にしないように言われて終わっています。法的に何かできないのでしょうか」という内容でした。

転職が一般化。しかし業界は案外せまい

日本も例外でなくなってきましたが、業界によっては転職が日常茶飯事になってきました。同じ職場にずっといる私に取ってみると、勇気も不安もあるのだろうな、と思います。ただ、人それぞれの立場において、転職は人生において必要になってくるのでしょう。

アメリカにおいては、転職をするというとやはり同様の業界が多いと思います。雇う側も同様の業種の経験を求めるのかもしれません。今回質問されている方も同業種の中なので、狭い世界のようです。そうすると、業界内における今までの評価というのも割れる場合もあるかもしれませんね。今回質問されている方もとにかく転職したわけで、もう一度巻き直して元に戻るなどということも大変な状況です。同時に、また転職というのも大変な状況のようです。質問者ご本人は今の職場でがんばっていきたいという気持ちが強いようです。

嫌がらせ対応策ー就業規則などの社内ルール

さて、今回の質問はいくつかの問題点が潜んでいるように思います。質問のメールだけでは、よくわからないこともあるのですが、想像も入れつつ考えていきましょう。

まず、今回のような社内の問題については、まずは社内の内規に基いて処理をしていくのが第一歩です。質問をされている方のケースでは、比較的大企業のようです。大きい企業だから、何が良いのか、というとよくわかりませんが、企業が大きければ、それなりに法的なコンプライアンスをやっているという可能性が大きいと思います。社内弁護士や法務部なども存在することも多いのではないでしょうか。
そうすると、日本とは法律が違うのですが、就業規則などもそれなりにしっかりしていると思います。社内で起きた問題については、就業規則などの社内ルールに基づいて処理されるのが基本になります。国や州で規定されている法律や条例などに先んじて就業規則など社内のルールが適用されます。もちろん、社内のルール等が法律に準拠していることが前提になります。

就業規則も会社によって違いがありますが、基本的に社内で法的な問題が発生した場合の処理方法が規定されているのが一般的です。
まず、就業規則には、会社内において、どのような行為が会社内で禁止されているのか、ということが規定されています。禁止行為は、かなり広範囲に設定されていると思います。

日本とアメリカでは禁止内容に差も

今回のような行為が禁止されているのかどうかは、就業規則を参照しないとわかりません。日本では、かなり広範囲の行為について「ハラスメント」ということを言いますが、日本的な感覚だけでは、アメリカではハラスメントに該当しない可能性も十分にありますので、自分の気持だけで動いていると危険かもしれませんね。就業規則を読んで、自分が被っている不利益が会社内でどのように評価されているのかを確認する必要があろうと思います。内容的に自分が不利益を被っていると言う場合には、就業規則において、どのようにその不利益について、会社内で情報を共有するのか方法論が規定されているはずです。

中小企業では会社内ではなかなか情報を共有しにくい環境もあるので、外部の弁護士などに通報先を設定することもあります。とにかく、設定された通報先と情報を共有するところから、事態の解決を図る必要があります。

 

秋の味覚もいろいろでてきている季節になりました。秋を楽しみながらまた一
週間がんばっていきましょうね。