渡米時の入国管理対応への苦情


November 22, 2012





 

 もう秋も深まってサンクスギビングも近くなってきました。もう、アメリカはホリデーシーズン一色になっていくのでしょうね。もう一年が終わりに近づくと思うと、感慨深いものです。

 さて、今回の弁護士ブログでは、アメリカ入国時の対応に問題がある場合、苦情をどのように行政に訴えればよいのか良いのか考えてみたいと思います。

 まず、国家安全保障局はTraveler Redress Inquiry Program (TRIP)と呼ばれる一元化したクレーム方法を用意しています。詳しくは  ウェブサイト(http://www.dhs.gov/dhs-trip)を参照されてください。細かくどのような手続きによって、どのようなクレームができるのか書かれています。

 今回はこのTRIPを概観して、「このような制度があるのだ」ということを理解されれば良いと思います。実際に、クレームをするときには、上記のウェブサイトにある情報をよく読んでいただくことになります。

 まず、アメリカ入国時のトラブルの最たるものは、長時間の留め置きです。留め置きされる可能性があるのは、移民法上何か違反が疑われる場合各政府のウォッチリストと呼ばれる犯罪の嫌疑がある場合、それに過去に有罪歴がある場合が代表的です。

 これらの「あやしい」事例がある場合、入国審査官の入国時の判断または、該当者リストとの照会によって、第二次審査セコンダリーと呼ばれます。)に回されることになります。第二次審査においては、留め置かれ、詳しくその入国を試みる人のバックグラウンドを調査します。大体1時間程度待たされることはありますが、場合によっては捜査対象となり、何時間も留め置かれることもあります。

 このような留め置きについてクレームをすることができるのが、TRIPという制度です。
原則としてウェブから申請するのですが、書類を送付することでも可能です。申請をすると、Redress Record Numberという番号を与えられます。番号が与えられたら、その後審査が開始されます。

 では、第二次審査に回されてしまったことにより、飛行機の乗り継ぎに失敗したり、入国が遅れて迷惑が発生したり、といった場合には、クレームをすることができるとは思います。

 ただ、正当な理由がある場合には留め置きされるのは当たり前ですから、どのような理由での留め置きがクレームの対象になるのでしょうか。

 たとえば、米国に何度も入国しているのに毎回留め置きをされる場合には、すでに米国入国が過去何度も許されているので、今後留め置くな、という主張には理由がありそうです。

 何年も前に飲酒運転や暴行などの犯罪歴があったとして、その犯罪の調査のために何度も留め置かれている場合、恒常的に入国が遅れてしまってフェアではないということは言えそうです。また、間違った情報に基づいて、毎回入国するときに留め置かれたら、たまったものではありません。これらの場合には留め置くな、という主張に理由は見いだせるとおもいます。ですので、一回入国しようとして、その一度の入国について留め置かれた場合、たとえば移民法違反の問題があったり、刑事法の問題がある場合には、正当な留め置きと判断されると考えられます。間違った情報に基づいた留め置きは問題があるのが明らかなので、訂正を求めるということは妥当だと考えられます。

 TRIPを利用する場合、クレームの種類には制限がありません。クレームが正当かどうかというのは、国土安全保障局の広い裁量で決められます。裏から言えば、クレームを出したからと言って、確実に納得できる結果がでるとは言えないことは理解してください。

 ただ、確実に言えることは、なんらの理由もなく留め置きをされる場合があり得ます。誤情報に基づく留め置きは、許されるべきではありません。誤情報に基づく場合とは、政府の持っているテロリストなどの犯罪者リストに載っている名前がみなさんの名前に似ている場合に、一応警察権の行使として留め置きされる場合です。これはたまったものではありません。一度、理由のない留め置きから開放された場合には、必ずTRIPを使ってクレームをしておくと良いと思われます。

 クレームの方法はTRIPのサイトに詳しく書かれていますので、ここでは割愛します。TRIPのクレームに対する回答はまちまちなようです。ただ、結果がでるまではインターネットのウェブサイトで進捗が確認できるようにはなっています。クレームをしたからといって確実にクレームが解決されるわけではなく、場合によっては言ってそのままということにもなるようです。

 過去に問題がある場合の留め置きについてはしょうがない部分もありますが、間違った情報をもとに留置されたり、もともと移民局の持っている情報が間違っていたりする場合には、TRIPを有効活用できると思います。
弁護士の助けがなくても、気軽にできるのが良いと思いますので、ぜひ必要なときに活用されてください。


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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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