Hビザの代替案-J研修ビザ


July 20, 2011





 

 なんだか、脱核兵器路線を押すことでノーベル平和賞をもらったどこかの国の大統領は、他国での人の殺害を許可したり、核実験を実験ではないと黙認したり、よくわからないのですが、皆さんはどのようにお感じになっているのでしょうか。

 さて、相変わらず失業率が高いアメリカでは、一部の裕福層や、IT教育を受けた人以外は仕事がない中間層向けの仕事が空洞化している現象が収まらず、最近では、専門性があることが前提で外国人を雇用するための、H-1Bビザカテゴリーの発給状況が厳しくなり、一般的に、数年前まではなにも問題がなかったようなケースでも、許可を得るのが難しくなっている現状があります。申請をしようとしている外国人にとってはたまったものではありません。
 皆さんのなかには、数年前に問題なかった申請が、今年に入ってから認められないのは、何かおかしいと感じられている方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、移民法に関してはその認識を変えなくてはいけません。
 少々横道にそれますが、移民法というのは、「法」と読んでいますが、もともとは政府の行政行為をルールにしたものであって、司法ではありません。もちろん、憲法違反だ、といった問題がでれば私法の問題になりますが、一般的には行政の分野に入ります。ですから日本では、司法に関しては弁護士、行政に関しては、行政書士といった分類が伝統的になされているのです。基本的には、アメリカ移民法も行政の問題なのです。

 行政といえば、行政の「裁量」というのが大きく許されています。裁量というのは、行政が幅を持って、この人は入国させるけど、そっちの人はダメ、と言えるということです。

 そして、アメリカは敏感に景気によって移民政策を変えてきました。移民の国だからでしょうか。

 ですから、景気がよくなればどんどん外国人を呼び入れますが、景気が悪くなると制限をすることは、政策としてアメリカ行政の裁量の範囲内なのです。だからこのような傾向が発生してもなにも驚きではないのです。

 在日アメリカ大使館のウェブサイトでは、日本語の法律用語の使い方が間違っていることが多いのですが、「許可」という言葉がでてきたら、それは政府に裁量があるというニュアンスを含んでいることを理解されてください。

 とは言っても、現在のH-1B発給厳格化を受けて、スポンサー企業としても、何らか他の代替えビザはないものか、模索することが多くなってきているのが現状です。
 以前は、Oビザについて考えましたが、今回は、比較的短期間の研修の機会を外国人に与え、さらに企業の方も、経営の助けになるJ-1ビザについて考えていきたい
と思います。

 冷ややかにみると、本旨から外れている事例が多いと思われるJ-1ビザ制度ですが、J-1ビザとは、米国と外国との交流プログラムを通して発給されるビザです。すなわち、インターンや実習、客員教授などまで、交換プログラムを通して、外国人を招く場合に使われるビザです。
 どのプログラムに参加すると、ビザがもらえるのかは、国務省(State Department)が認可しているかどうかで決まります。

 そして、団体が国務省から認可を受けた団体であれば、DS-2019という書類を発給できるので、この発給を受けたうえで、大使館・領事館でビザ申請を行なうことになります。

 Jビザはあくまでも「研修」のために、許可されるビザですから、通常の雇用のためではありません。ですので、Hビザなどの他のビザを潜脱するためのJビザではない点に気をつけて、どのようなトレーニングをするのか、プログラム内容となっているのか、詳細に記述する必要があります。

 ビザの許可を得ると、プログラムに必要な範囲での許可期間があてがわれます。
 法律や規則にはっきりした期間制限はないのですが、今までの例を見ると、短い場合には、3週間、長い場合には、36ヶ月ということが標準的でしょうか。J-1ビザを取得する場合には、その家族はJ-2ビザの許可を得ることができますので、その点は、多くの他のビザと同様です。

 企業としては、交流プログラムを通して、J-1ビザで渡米してくる人に「研修」をさせることができますので、ある程度であれば、H-1Bビザの代替案として考えられるのかもしれません。
 一方、Jビザはあくまでも研修用のビザですから、一般の雇用と同様に扱うと問題が発生する場合もあります。これらの違いをはっきり踏まえて、移民法だけではなく、研修先である地の雇用に関する法律にも十分注意することが必要になります。移民法専門、ということだけでは移民法は語れないのですね。

 ということで、また次回新しいトピックを考えていきましょう。


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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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