ESTA登録後の入国拒否


February 21, 2011




 

 日本人がアメリカにビザなし入国をする場合、現在では(正確には2009年から)飛行機の中で配られるI-94Wというフォームを記入せずに、飛行機に乗る前(移民局は72時間前が望ましいとしているが、直前でも法律的には問題がない)に、ESTAというコンピュータシステムを使って、渡航者の情報を登録して開示しなければならなくなりました。
 あくまでもビザなし入国をする方に限られていますので、ビザでの渡航許可を得ている場合には、ESTA登録は不要です。

 旅慣れている日本人の方々であれば、オーストラリアに行く時に、渡航前にお金を払って登録された経験があると思いますが、同じようなシステムがアメリカでも導入されたということです。
 以前、じんけんニュースでもESTAのシステムについてはご紹介しましたし、移民局から直接いろいろ情報も用意されていますので、一般的な情報をここで、繰り返すつもりはありません。

 今回は、最近私の事務所で多く耳にするESTAに関する注意点について考えてみたいと思います。該当する方は気をつけてください。

 まず、ESTAはビザそのものではありません、すなわち入国時に再度入国審査官の審査を受けることになります。ESTAの登録をしたからといって、確実に入国できるわけではありません。
 なぜ、このことを強調しているかというと、最近、ESTAに登録してアメリカに入国する際に入国拒否にあっている方が多いからです。その理由は、過去の逮捕・有罪になったことをESTA申請の際「書き忘れた」というものです。

 この問題が発生する理由は2つあると思います。
 ある日本人の方はその昔逮捕歴があって、アメリカに入国するときにはいつも飛行機の中でI-94Wを記入していました。ところが、久しぶりにアメリカに渡航しようと思って、ESTAに登録をし忘れた。空港でそのことに気づくわけです。そうすると、コンピュータにもすぐにアクセスできないことにも気づきます。

 こういったピンチの状況において、たぶん空港で、航空会社の人が積極的に助けてくれることになります。なぜ航空会社の人が積極的に助けてくれるかというと理由があります。皆さんがもしアメリカに到着し、入国しようとして、入国を拒否された場合、航空会社がその拒否された人の帰国運賃を負担しなければいけないからです。
 そして、航空会社の人は手馴れていますから、ESTAの登録を手伝ってくれます。そして、通常は逮捕歴や有罪歴はないという前提で登録を手伝ってくれますので、急いでいると、「逮捕・有罪歴がない」というところにマークされてしまいます。自分でやるべきことをやらなかった問題がここで発生します。たとえ、好意でESTAを第三者が記入してくれたとしても、それは自分の責任となります。そして、入国するときに問題が発生します。

 もし、過去に逮捕歴や有罪歴がある場合、それをESTAで申告していないと、移民法上の詐欺行為と推定されてしまいます。そして、詐欺行為が入国時に認められると入国を拒否されます。
 もちろん、入国拒否事由がある場合、入国審査官の裁量で拒否するかどうか決められますが、逮捕歴・有罪歴の「秘匿」と認められると、心証は相当に良くないと思われます。

 そして、ESTAで提供された情報は、現状、警察行政とシェアされることになっています。すなわち、過去の逮捕・有罪歴については、入国審査において、コンピュータで閲覧できるようになっています。そして、ESTAの情報は2年間有効ということになっていますが、移民局側のコンピュータには公表では12年間保持されていて、犯罪等の捜査に利用できるということになっています。

 上記を見ていただければ、ESTAの記入に注意をしないと、入国が拒否されることになりますから、アメリカ政府の記録に残るであろう逮捕・有罪歴については必ず記入をすることが必要です。
 また、アメリカ経由で南米や他国に行く方もいるとは思いますが、経由地がアメリカでも、アメリカ入国審査が必要になるのが通常です。その場合でも、逮捕・有罪歴については必ず開示することが重要です。

 以上、ESTAの注意点です。また、次回新しいトピックを考えていきましょう。


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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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