ESTA認証不許可への対応


November 01, 2010




 

 ハロウィーンです。皆さんは仮装されて楽しく過ごされているのでしょうか。サンフランシスコも、今日は盛り上がる日です。さらにジャイアンツが強いで、警察官も今日は大変な一日になるでしょう。

 さて、今回は、ESTA認証が不許可とされた場合の処理について考えていきたいと思います。
 私の所属する事務所でも、最近ESTA申請が拒否されてしまった事例の相談が増えていますので、日本からビザなし渡航を考えられているかたは要注意のポイントです。

 ESTAというのは、Electronic System for Travel Authorizationの略で、電子渡航認証システムとよばれているものです。ここでは、ESTAと呼ぶことにします。

 ESTAは2009年1月から利用されているシステムです。日本人を含む米国ビザ取得を免除されている外国人は、米国渡航前にオンラインで登録をしなければならなくなりました。今まで、いわゆる「ビザなし入国」をしてきた外国人に適用されることになったのです。

 2010年9月からは、ESTAを利用して登録をするために、14ドルかかることになりました。
 言い方が悪いですが、どんどんいろいろな形で申請費用が取られていきますね。

 ESTAに一度登録をして認証を受けられれば、原則として2年間は有効です。ただし新しいパスポートで申請するなど、申請内容が変わる場合には、2年以内であっても、再度14ドルが徴収されます。

 このESTAは、アメリカ入国を試みる外国人をスクリーニングする機能がありますから、移民法上問題があり、入国拒否の対象となる外国人をアメリカ入国に先立って認証不許可とできるところにポイントがあります。ESTAで認証許可がなされれば、そのまま飛行機に乗ってアメリカに入国することは問題ないわけですが、ESTAの認証が不許可になってしまうと別途対処をする必要がでてきます。今回はこの不許可の場合について考えていきたいと思います。

 まず、単純な記入ミスでESTAの認証不許可になってしまった場合には、アメリカ国土安全保障局のウェブサイトから問い合わせて修正をリクエストすることができるとなっています。ウェブでDHS TRIPと検索すると情報が見つかると思います。しかし、どのような理由で認証拒否になったのかはわかりませんし、単純な記入ミスということはあまり多く無いと思います。

 もし、明らかに単純な記入ミスでないと思われる場合、ESTAを使って再申請をしても、再度不許可とされることになりますので、効果は薄いと考えられますし、逆に何度も申請をすると、長期間入国が不許可とされる可能性もありますので、おすすめはできません。いったんESTAの認証不許可となった場合には、通常はビザの申請をすることが考えられます。というか、ビザなし入国ができなくなった場合には、ビザがなければアメリカに入国ができませんね。

 ESTAの不許可理由については、開示されないのが原則ですから、申請者側でできるだけ何が問題点か把握したうえで、ビザの申請をする必要があります。
 ここで、重要なのは、ビザの申請も必ず許可がおりるわけではなく、問題があればビザの申請も不許可となる可能性は十分にあることです。また、以前は、大使館や領事館の職員にある程度の裁量が認められ、許可不許可をコントロールできた時期もあるようですが、今は、すべての情報がアメリカ本土の国土安全保障局とインターネットでつながっていますので、ESTAの申請内容がそのままビザ申請内容とリンクしています。ですので、ESTAの不許可理由がちゃんと自分で認識できていないと、ビザ申請も不許可になる確率が高いので、ビザ申請前には専門家のアドバイスを受けるのがベターと思います。

 ESTAの認証不許可される理由はいろいろあるのですが、主なものを挙げると、過去に不法滞在や不法就労をアメリカでしたことがある場合があります。これらの場合には、以前から間違いなくビザなし入国を拒否される典型的なパターンでした。
 過去の不法滞在や不法就労の内容は今回詳しく取り上げませんが、ESTAの認証不許可が一番ありえる理由です。これらの過去の履歴がある場合には、ビザ申請も不許可扱いになる場合も少なくありません。
 もっとも、ちゃんとした理由やサポート書類があれば許可されるケースも少なくありませんので、専門家に相談されてください。ただ単に、諦める必要はないと思います。

 それから考えられる理由としては、過去にビザがなんらかの理由で拒否されたケースが考えられます。どのような理由で拒否されたのかにもよりますが、過去にビザ申請を不許可とされている場合には、ESTAでも不許可とされる場合があります。この場合も、ビザを申請することになります。

 もうひとつ考えられるのは、ESTAの申請時に誤った情報や虚偽の情報を入力し、アメリカ国土安全保障局のデータベースとマッチしない場合です。たとえば、うっかり誤った情報を入力する例としては、簡単なタイプミスだったり、パスポートの変更がもともとある情報とマッチしなかったり、といったことでしょう。
 これらの場合は、情報さえ修正して、理由を説明すれば、ビザ申請することにより許可を得ることはできるでしょう。また、うっかり誤った場合には、上述の国土安全保障局のウェブサイト等を通して、ESTAの申請を変更する申立てをすることが考えられます。いずれにしろ、うっかりミスでもミスはミスですから、慎重になされるのが良いと思います。

 もう一つの「虚偽の情報」を入力してしまったというパターンですが、もし故意に虚偽の情報を入力していた場合には、その入力自体が移民法に違反する行為とみなされて、入国不許可事由となっています。このパターンが一番まずいので、虚偽入力があったと思われる場合には、専門家の意見を聞くべきだと思います。よく私が個人的に目にするのが、「犯罪歴はありますか」という質問にたいして、「ありません」と答えたにも関わらず、実際は犯罪歴があったというケースです。

 たしかに、移民法上入国が制限される「犯罪」は、刑事法にいう「犯罪」とは範囲が違ったりするので、弁護士によっても言うことが違ったりするのも事実です。私は、何か犯罪歴があれば、できれば申告をしておいたほうが良いという立場を取っています。
 「なんでそんな面倒くさいことをいうのだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、弁護士に「大丈夫」と言われたにもかかわらず入国の際、「犯罪はありません」と答えて、入国拒否になった例を私はみています。あとで、「その罪なら申告しなくてもいいんだよ」と言われて入国できたほうが良いに決まっています。もちろん犯罪歴がある場合には、ちゃんと刑事事件と移民法を両方できる弁護士に相談することは重要でしょうが、ただ単に「軽い罪だから入力しないでもいいか」ということで済ませないでください。

 もし、ESTAの認証が不許可となってしまった場合には、短期渡航目的のビザとして、Bビザが考えられます。Bビザの取得については、また別途考えたいと思います。

 また、次回新しいトピックを考えていきたいと思います。


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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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