子どもとアメリカ旅行-注意点は?


May 21, 2010




 

 近年、国際結婚の増加で、子に関する親権の問題が多くなり、ニュースでも取り沙汰されていますね。このじんけんニュースではなく、私が別立てで原稿を書いている「法律ノート」において親権の奪い合い事例について何度か取り上げています。
 ここでは、移民に関する問題に絞って、注目されているポイントを考えていきたいと思います。
 今回は、子連れ旅行の注意点を考えてみます。

 18歳未満の未成年者が家族にいる場合、アメリカの法律では多くの場合両親の共同親権ということになっています。日本では、たとえば両親が離婚すると親権者を決めるのが普通ですが、アメリカでは共同親権(Joint Custody)というのが当たり前になっています。
 すなわち、アメリカでは夫婦が離婚したとしても、両方の親が子どもに関するコントロールを、子が成人するまでもっているということになります。アメリカではこのように夫婦が共同親権を持つというシナリオが一般的なのですが、日本では、一方の親が親権をもつという形が一般的です。

 この違いがあることを頭にいれておいてください。 この親権で問題が発生することが多くあります。

 最近よく耳にするパターンは、アメリカ人と日本人が婚姻し、子どもとともにアメリカに住んでいる。そして夫婦が離婚するに至る場合、日本人の配偶者が子を連れて日本に帰ってしまう、といものです。
 一般的には、「子の連れ去り事例」、と呼ばれています。このような子どもの連れ去り事例が最近頻繁に起こっていることは事実です。ですから、子供連れの出入国に関して、アメリカにおいては敏感になっていると考えてください。また、最近では児童ポルノの被害者保護も強化されていることも影響しています。ここまでは今回考える子供連れ旅行の前知識です。

 さて、子連れ旅行ですが、未成年者を連れて国境を超え出入国をする場合、特にアメリカが絡む場合には注意したいところです。
 もちろん家族全員、すなわち両親と子どもが旅行しているぶんにはなんら問題になりません。
 しかし、一方の親が子どもを連れて旅行する場合や、保護者ではない家族や友人が未成年者をつれて旅行する場合には、問題になる危険性があります。

 もちろん、一方の親と旅行をするということは多くあるわけですし、親ではなくて、たとえば兄弟や祖父母と旅行などと言うシナリオも当然あるわけですから、毎回注意をしなければならないということではありません。
 しかし、移民局は内部通達により「連れ去り事例と思われる場合には、その場に留め置いて、連れ去りでないことを確認すること」という内容を職員に義務付けています。ですので、なんらかの事由で「連れ去りではないか」と思われてしまうと、思いがけなくトラブルに巻き込まれる可能性があります。
 子どもさんが大きく、自分の意思でいろいろ話しができるのであれば、それは助けになると思います。
 しかし、一方小さな子どもさんであると、証言ができない場合が多いのですから、トラブルの解決にプラスになるとは限りません。

 それでは、念のためにどのような用意をしておけばよいのでしょうか。
 もし、両親が婚姻中であれば、一方の親が他方に対して、子どもと国際的に旅行することは問題ないといった簡単な手紙を用意して、連絡先を書いて署名しておけば充分だと思います。もし、怪しまれても、連絡さえつけば問題は発生しないからです。

 もし、すでに離婚をしている場合には、離婚が成立したときに決定された内容が書かれた書類(多くの場合は裁判所の決定)を持ち歩きましょう。内容さえわかればコピーでもよいと思います。アメリカ国内で離婚が成立すると、通常子どもの親権のこともあり、離婚した相手方の連絡先もわかるはずです。ですから、もし移民局に怪しまれた場合には、連絡がつくように用意はしておいた方がよいかもしれません。

 それから、子の親の一方や両方が死亡や失踪してしまったという場合も考えられます。その場合には、死亡を証明できる死亡証明書などを用意しておくとよいと思います。

 気をつけなくてはいけないのは、アメリカよりもカナダの方が未成年者の旅行に厳しくなっています。ですので、私はカナダの法律はわかりませんが、カナダに行かれるかたは一応カナダ法をチェックされた方がよいと思います。

また、次回新しいトピックを考えていきます。


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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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