市民権をもつ配偶者ベースの永住権申請


November 03,2009





 

 以前から懸念されていた、永住権に関する法律の不備がありましたが、先週、2009年10月29日にオバマ大統領が新しい法案に署名し正式に法律となりました。今回は、この新しい法律をご紹介しようと思います。

 今回大統領が署名し発効した移民法はいくつかあるのですが、配偶者ベースの永住権に関するものがあり、日本人にも影響するかもしれませんのでご紹介します。

 まず、簡単にバックグラウンドの情報ですが、外国人がアメリカ国籍をもつ人と結婚したとします。そうすると、市民権をベースにして、永住権申請が可能になります。ベタな言い方をすれば、外国人がアメリカの永住権を取る方法としては一番早く、取得の可能性も高いという実情があります。そうすると、悪いことをする人が出てくるわけで、偽装結婚によって国籍を取得しようとする人もでてきます。
 横道に逸れますが、最近、皆さんはこの偽装結婚を扱ったThe Proposalという映画をご覧になりましたか?リアルでない部分もたくさんありましたが、笑えた映画でした。お勧めです。

 偽装結婚を防ぐ方法をいくつか移民局は導入しているのですが、一つには、両当事者を移民局に呼んでインタビューをします。すなわち結婚式に関連する写真や書類、婚姻生活を示す写真や書類等を提出させたり、様々な質問をして真意を確かめたりします。もう一つの方策として、結婚により永住権が発給された場合には、発給の日から2年間は条件付永住権となります。すなわちConditional Greencardと呼ばれているものです。移民局はちゃんと結婚をしているのか「様子をみて」いるのですね。この結婚してから2年間の間に離婚をしたり、場合によってはちゃんと結婚生活を続けていない、と思われると、条件をはずしてもらえないことになります。すなわち、永住許可が取消処分を受けてしまうのです。

 この永住権の条件を外すための2年間の婚姻要件は有効に機能していると考えられていますが、問題が発生する場合があります。すなわち、この2年間の間に、アメリカ市民権をもつ配偶者が死亡をすると、条件を外すことができなくなり、ひいては強制送還の対象となってしまうのです。
 結婚して、子供もできた、という幸せな事例でも、永住権の条件が外れていないと、本人達になんら過失や悪いことがなくても、強制送還となってしまうのです。この事例をなくそうという試みで、今年の夏、議員立法案としてThe Fair ness to Surviving Spouses Act of 2009という法案(S.815/H.R.1870)が提出され、このたび法律となったのです。

 ですので、今回の立法により、条件付の永住権を持っている配偶者は、他方配偶者が死亡しても、条件をはずし、永住権をもらえることになりました。子供がいれば、アメリカ市民の場合がほとんどですから、今回の法律は妥当であると思います。もちろん他にも、他方配偶者の暴力などがあると、永住権の条件を外してもらえるという法律もあるので、今回の法律が2年間の条件期間を迂回できる唯一の方法ということではありません。その点は注意されてください。

 それでは、また次回新しいトピックを考えていきましょう。


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