H/Lビザ保持者の永住権申請中の米再入国


November 08, 2007





 

題名が今回長くて申し訳ありません。ある意味ニッチな話題ですが、多くのアメリカで働く日本人や外国人には重要な話題です。
皆さんの周りにも何人か、該当するような方がいるはずです。ですので、今回取り上げてみました。

HビザやLビザは非移民ビザの一種で就労のために発給されます。
通常永住権を得ようと思うと、ほとんどの外国人は、何らかの就業ビザを得ます。HやLといったカテゴリーのビザをまず得てから、永住権の申請をはじめます。ある意味「パターン化」した方法ですが、移民局もちゃんとこのような方法で外国人が段階的に永住権を申請しようとしていることを認識しています。
私の事務所で働く人たちも、アメリカ人ではなく外国人である場合、永住権を申請することになりますが、例外なくまず、非移民ビザを取得し、その後永住権を申請するという方法をとっています。

非永住型であるHビザ、Lビザから永住権を申請する場合、移民法上非常に根本的な論点が生じます。
あまり、じんけんニュースでは深く法律の論点につっこんで考えるべきではないかもしれませんが、皆さんに理解していただきたいので、ここで簡単に考えてみましょう。何度か間接的には取り上げていますので、繰り返しになってしまっているかもしれませんが、ご容赦ください。

非移民ビザというのは、アメリカに永住しない、ということを前提に発給されるビザです。
ですから、渡米するに際して必ず「君はいつ帰国するのか?」という質問をいろいろな角度から聞かれるわけです。はっきり答えられないと、ビザの申請に対して不許可処分がされてしまいます。非移民ビザというのは、いつかは自国に帰るということがお約束なわけです。
ところが、永住権は、「ずっとアメリカに住む」ということが前提になっています。永住というのですから当たり前かもしれませんね。
アメリカで永住をするということについて、いくつか縛りはあるわけですが、今回のトピックから外れてしまいますので今回言及しませんが、確実に非移民ビザとは違う性質を持っています。アメリカに永住するのか、もしくは、いつかは自国に帰るのか、というポイントが、非移民ビザと移民ビザの根本的な分岐点として考えられている、ということをわかっていただければ十分だと思います。

ここまでで、非移民ビザと移民ビザの大まかな性質の差はわかっていただけたいと思います。
そこで今回の本題にはいります。

まず、HビザはLビザというのは非移民ビザですね。そうすると、いつかはこれらのビザ保持者は自国に帰ることが前提になっているわけです。ところが、ある段階でこれらの人たちが永住権を申請することになります。砕けた言い方をすれば、「心変わり」ですね。いつかは自国に帰る、というつもりだったけど、やっぱり永住したい、と思うようになったわけです。
そうすると、HビザやLビザでアメリカにまず入国した人たちは「いつかは自国に帰ります」という意思で入国したのですが、その後、心変わりした、と考えられてしまうわけです。移民局というのは、その外国人の意思が変わったことに対して非常に神経質です。ですので、非移民ビザから永住権を申請する際は気をつけなくてはいけないという考えが弁護士にはあるのです。

HビザやLビザを持っている人がアメリカに滞在中に永住権を申請したとしましょう。
その後、いったんアメリカを出ると、再入国する際に、HビザやLビザの非移民ビザで入国使用としているものの、永住権を申請しているではないか、すなわち、入国しようとしているビザと、実際にやっていることが違うではないか、というクレームを理論上つけられてしまいます。移民法は上述したように「意思」がどのようなものか気にするからです。

永住権の申請は長期間かかってしまうことから、何年も前に移民局はHビザやLビザ保持者は、アメリカに再入国しなければいけない「都合」があることを認識してはいましたが、永住権の最終段階に入っているという書類の提出を義務づけていました(Adjustment of Status のReceipt Notice)。
なぜ義務づけるか、といえば、非移民ビザで入国しようとはしているが、永住の意思を持って、すでに永住権を申請している、ということを明らかにするためでした。ただ、なぜ、このような永住権に関する書類を提出しなければならないのか、根拠が不明確な部分もありました。
しかし、数日前に行政の通達があり、永住権を申請しているなどの関係の書類は提出する必要はない、ということに決まり、さらにそのことが明記されるようになりました。

ですから、簡単に言ってしまえば、HビザやLビザを保持している外国人が、たとえ永住権を申請していても、永住権の申請関連の書類を提出しなくても、アメリカに再入国が認められる、ということを法律ではっきりさせたことになります。

以上が今回の改正点ですが、前置きが長くてつまらなかったかもしれませんね。

次回またあたらしいトピックを考えていきたいと思います。
寒くなってきましたので、体調には注意したいですね。それではまた次回まで。


 
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