H-1Bビザについて思うこと


March 20, 2006




 

サンフランシスコは雨が多くて困っています。特に私が仕事から帰ってくる夜にざんざん降りなことがあって、いつも雨に濡れてしまっているような気がします。まあ、季節の変わり目なのかもしれませんが、いい加減いつもの「カリフォルニア晴れ」が戻ってきてくれないかと思っています。

さて、2007年度に発行可能なH-1Bビザの申請が来月2006年の4月1日から始まります。2007年度分からの新規H-1Bビザを取得すれば、2006年10月1日から就労が可能になります。H-1Bビザの新規発行は現在非常に不足しています。2006年度分については、すでに2005年の8月10日に発行限度枠に達してしまっているので、H-1Bビザが欲しい雇用主や被雇用者は事実上今年の4月まで待たなくてはいけないのが現状でした。すでに、他の法律事務所も同じようなものでしょうが、私の所属する法律事務所でもすでに、2007年度分の申請の用意がはじまっています。先着順で審査をされますので、H-1Bビザを取得したいと思っている雇用者、被雇用者の方々はもう躊躇している時期ではないと思います。

H-1Bビザについては、移民法についてはアメリカ連邦議会の委員会レベルではいつも活発に議論されている話題です。端的に言えば、現在の6万5千件の新規発行数が多いか少ないか、という問題が議論されています。外国人就労者を増やすという問題に対しては、積極的な意見と消極的な意見がいつも対立しています。消極的意見はアメリカ人の雇用を奪う可能性がある、という点に尽きると思います。この点に配慮して、H-1Bビザの発行に関しては最低賃金を課したり、職種によるある程度の選別を行ったりしています。アメリカ移民法法曹協会は、しきりに外国人の雇用はアメリカ人の雇用を奪うことはない、という主張をしていますが、実際のところははっきりわかっていないのが現実だと思います。アメリカという国は各国の優秀な人達と集めて、国力の一環としてきた歴史があります。それはヨーロッパのどの国よりも新しい文化であるが故の宿命なのかもしれません。アインシュタインがアメリカ国籍を取得する際に連邦議会では無条件で市民権を与えるということになったのですが、他の人ではそのような議論は起こらなかったと思います。もっともアインシュタイン自身は通常の手続で充分だ、ということで少々時間がかかった事実は彼の科学者というより人間性のすばらしさだったかもしれません。優秀な人を集めるということはアメリカにとっては大事なことなので、H-1Bビザはその一つの手段ということになるのですね。ドイツやオーストラリアでは、アメリカと同じように優秀な外国人を集めようと移民法を最近改正しました。日本はこの点、出遅れていると思います。

アメリカ移民法法曹協会(AILA)などでは、H-1Bビザの発行数を増やすべきだ、という運動をしていますが、数を増やせば良いというものではないかもしれません。かといって保守的にアメリカ人の雇用を守るべきであり、外国人の就労は限るべきだ、という主張では今までのアメリカの歴史にそぐわない一面もあると思います。

現状、H-1Bビザの発行上限数は限られていますので、数を増やす増やさない、という視点が集中して議論されていますが、数の増減で解決するような問題ではないかもしれません。能力をベースにしてアメリカで就労させるかどうか、という点については数で限る必要はないからです。ただ、国益のことも考えなくては現在生活をしている人にしても影響がでるでしょうから、その点、調整は必要なのかもしれません。

いずれにしても現状では発行上限数は決まっているわけですから、その上限に従って法曹は仕事をしていくしかないわけです。そういう意味で法曹が政治的な意見を言ったところでダイレクトには態勢に反映されないということに少々歯がゆさを感じてしまいます。外国人がどうあるか、ということはアメリカには非常に大事なことですから。一方、日本人として、日本ももっと優秀な外国人に門戸を開けばどんな可能性があるのだろうか、と思いを巡らせてしまいます。日本で「外資」といえば、アメリカやヨーロッパの資本という考えが現在多勢でしょうが、それで充分な視野があるかというと少々疑問にも思います。

今回は私の意見的なコラムになってしまい、あまり有用なトピックではなかったかもしれません。しかし、皆さんにも大きな視点でアメリカにおける外国人のあり方、日本における外国人のあり方を考えていただきたいな、と思って書いてみました。他にあまり目新しいトピックがなかったことも原因なのですが。次回は、もうちょっとインフォメーショナルなトピックを考えていきたいと思います。

それでは次回までさようなら。


 
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