移民申請の追加書類-内部規則から


February 25, 2005




 

先週末サンフランシスコから山間部に向かって運転している途中、桜が満開でした。花見という状態で咲いている桜はアメリカにはなかなかないのでお酒を呑む口実を見つけられませんが、ピンクの花が青い空に映えているだけでも綺麗です。カリフォルニアは春なのでしょうか。日本では春一番がふきましたね。

さて、今回は非移民ビザ申請の手続で遅滞を生じさせる原因となっているRFEについて考えたいと思います。HビザやEビザの申請を行うと、申請中に最近では必ずと言ってよいほど追加の書類や情報の提出を要求されます。この移民局からの要求をRequest for Evidence (RFE)と呼びます。9月11日の事件以降、ほとんどの案件でRFEを目にして、法律事務所や申請をしている外国人にとっては悩みの種とよい状態になってきていました。何度も申請を行っているような信用ある会社であれば、従来RFEを避けられていましたが、最近では何かにつけて、もっと書類や情報を出せ、と言われることが増えてきました。

このRFEが来ると、申請が少なくとも数週間、事例によっては数ヶ月遅滞します。申請者も法律事務所も対処に追われてしまいます。RFEは何十日以内に回答せよ、という期限もついていますので、内容の正確さは元より時間的な制約もあるのである種のプレッシャーとなってしまいます。

このRFEが出されるケースというのは予想がつかず、来たら対処するといった状況が続いてきて、法曹界からは批判が多く出ていました。私も非常にこのRFEについての移民局のやり方には不満があります。要件は法律上満たしているのに、ビザを許可しないというのでは、何のための許可基準かわかりませんね。

このRFEを出すことに関する内部規定が最近移民局内で回覧されています。この内部文書によると、申請書に問題がなく、全ての要件が揃っている場合には、許可は出されるべきでありRFEは必要とされない、とはっきり書かれています。 
9月11日事件後に回覧された「移民詐欺行為は絶対に許さない」というポリシーにより、ランダムにRFEに出しても良いという風潮が移民局内にありましたが、この回覧は撤回され、ランダムなRFEの発行には今回疑問を呈しています。

RFEを必要とせず、申請を許可する基準として「preponderance of the evidence」という一般の民事訴訟の原則を取り入れようとしています。つまり51%以上、許可される要素があれば許可をだす、といった基準です。私は移民局が判断する上でPreponderance of the evidenceという基準を本当につかっていくのか、というと懐疑的です。このような原則をうたったとしても、実際の申請ではあまり意味がなく、仮に申請が拒否されたような場合に、不服申し立てをしたとしても、現在では判例がないので、なんとも言えないので決して安心はできないと思います。そもそも民事訴訟の原則を移民法という行政法のエリアに持ち込めるのか、というと技術上疑問を禁じ得ません。

今回話題にしている内部文書では、ある程度具体的な審査方法が示唆されています。RFEを出すのに適しているのは、具体的な書類の提出を求める場合(一般的に漠然と書類を提出することを求める場合ではない)に限るべきだ、ということが書かれています。また、テンプレートを使って、多大な労力を申請者に強いるべきではなく、具体的に提出書類、情報を指摘するべきであると書いてあります。申請者にわかりやすく追加書類、追加情報が何なのか、示すようにするべきだという指針を打ち立てています。

残念ながら、具体的に審査をする移民局の役人に具体的な指針を示すというよりは、「RFEを出す際にはちょっと気を付けてね」といった程度の印象しか与えていない回覧です。しかし、批判等が相当でている事実があるから、このような回覧が存在するわけで、これからある程度RFEの使い方も内部的に規制されていくと思います。ただ、現段階では具体的な指針が申請者に明示されているわけではないので、やはりできる限りの申請内容を整えておかなくてはならないことには変わりがないと思います。まあ皆さんが移民関係の申請をしてRFEをもらっても、とにかく移民局が要求していることにできるだけ対応する、という姿勢は変えてはいけないでしょうが、もう少し安定性がある指針を期待したいところです。それでは次回はまたタイムリーなトピックを考えていきましょう。

余談ですが、あまり皇室には興味のない私ですが、皇太子が誕生日会見が言及した詩には私も共感しました。なんか人として感じる底辺的な詩だと思います。私はなんだか皇太子という人に興味が沸いてきました。詩を以下に転載しておきますね。

「批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる しかし、激励をうけた 子どもは 自信をおぼえる 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる フェアプレーを経験した 子どもは 公正をおぼえる 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じとることを おぼえる」


 
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