H-1Bビザ(2016年度)申請の状況


今年も4月1日より申請開始

2016年度分、すなわち2015年10月1日から就労を可能とするH-1Bビザの申請が2015年4月1日からはじまりました。移民局は、4月7日に受付を締めきりました。なんと1週間で23万件を超す申請書が移民局に提出されたようです。

この申請は新規申請分のみですから、23万人以上の外国人がH-1Bビザを求めて申請をしたわけです。毎年許可される新規申請は6万5千件で、最近ではそれに加えて、修士以上の学位を持つ外国人に2万件の枠が与えられていますから、合計でも8万5千件のみとなります。

H-1Bビザの抽選実施

最近の例に漏れず、移民局は、23万件の中から抽選で許可申請に進める申請書を選ぶということになりました。私の所属する事務所は半数近くが許可申請に進めましたので、割合的には悪くなかったようです。申請が受理されない外国人の方たちは、他のビザの取得を目指すか、いったん自国に戻ることになろうかと思います。H-1Bビザの代替ビザについては、何度かこの移民ブログで取り上げましたね。H-1Bビザの優先審査枠を使っての審査は5月11日から始まるということですから、夏になる前には、新規申請の結果も出てくることでしょう。

抽選にかかったH-1Bビザは新規申請分ですから、現在H-1Bビザをお持ちの方で、ビザの更新、職種や雇主に変更がある場合には影響しません。しかし新規申請分については、昨年も申請開始から一週間で17万件の申請分が集まっていました。今年はさらに申請分が増えているわけですから、需要はかなり増えているのに供給は追いついていないという現実があるわけです。

H-1Bビザ、人気の背景

H-1Bビザの上限発行数は1990年に法制化されました。それ以後、クリントン政権のときに一時的に上限発行数を19万程度まで引き上げましたが、それ以後は現状の上限発行数が維持されています。H-1Bビザは他の国でも導入していますが、優秀な外国人の囲い込みをはかる目的があります。

したがって、基本的に取得要件としては、大学卒業程度の学位、学位の専門性、などが見られます。
以前はエンジニア、会計士などがメジャーな取得分野ですが、近年ではつとに、コンピュータ関係がメインとなっています。コンピュータエンジニアである外国人が米国で就職するためにまずH-1Bビザを取るというのが最近のパターンになっています。米国のコンピュータ関連会社の成長に合わせて、外国人の雇用が必須になってきて、申請数にもかなり影響しているというのが現状でしょう。また、政府も科学、技術、エンジニアリング、数学といった分野の発展を期待して、外国人を囲おうとしているわけです。

H-1Bビザを取り巻く動向

諸外国に比べて、米国の企業で働くと給与も高く、環境も良いと言われていることから、外国人の就職希望は増加しているので、特に、コンピュータ関連会社などは政府に対して、H-1Bの上限発行数を増加させるように働きかけています。革新的な考えを持つ人達は、外国人が様々なバックグラウンドを持ち、各種の分野の発展に貢献し、引いては米国人の仕事にも積極的な影響をもたらし、経済を牽引していると言います。

しかし、一方で米国人とH-1Bビザを持って働く外国人と同程度の教育や経験があっても、外国人の方に平均的に高い給与も支払われているという統計もあり、保守派は、H-1Bビザの増加に対して慎重なのです。

一方では、米国に足りない分野の補完のために、優秀な外国人を雇うのであるという意見もあれば、他方では、失業率が高いのは外国人の雇用を促進するからだという意見もあります。双方が様々な統計を持ちだして戦っているわけです。

今年に入って、H-1Bビザに関して修正法案がいくつか出されています。
許可数の上限を毎年度6万5千から11万5千に上げるというものや、需要に応じて、許可数の上下限を変更することを許すというものもあります。また、H-1Bビザ保持者の配偶者の労働許可に関する改正も法案に含まれています。
原則として、H-1Bビザの新規許可数の問題については立法府の問題ですので、いろいろな議論を通して結果がでてくることになります。

次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。

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カテゴリー: 国際弁護士なブログ | 投稿日: | 投稿者:

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