米国留学から米国での就職希望。ビザと制度は?


 




 
FビザからH-1Bビザへ
日本人を含む外国人が米国で就学する場合、FまたはMというカテゴリーの一時滞在ビザの許可を得ているはずです。大学に通う方々は基本的にFビザの許可を得ているでしょう。大学や大学院を卒業した後には、米国内で就職することを希望されている外国人学生も多くいると思います。

通常、学生ビザから就労する場合、ビザはH-1Bビザというカテゴリーになることが多いです。このH-1Bビザですが、何度も当ブログでも取り上げているように、毎年度上限発行数が決まっています。今年も4月1日にH-1Bビザの申請受付が開始されますが、おそらく応募者が上限発行数である6万5千件を上回り、過去の様子を見ると、受付から一週間で締め切られ、さらに抽選ということにもなり得ます。
そして、4月にビザの申請が受理されたとしても、実際に働けるのは10月1日からとなります。H-1Bビザの申請には、色々とハードルがあるというわけです。

<関連記事>
  2014年度のH-1Bビザ新規申請 http://momsusa.jp/archives/508
 
実務研修期間:OPT (Optional Practical Training)

 学生ビザをお持ちの方々は、実務研修期間(プラクティカル・トレーニング)という言葉をお聞きになったことがあると思います。大学や大学院の課程修了後、原則として12ヶ月間は実務研修期間として、賃金を得ながら働くことができます。実際はこの期間中に、なんらかの仕事を探すためのきっかけを模索することになろうかと思います。

この課程修了後の実務研修期間をOPT (Optional Practical Training)と呼びます。OPTの他にも、就学期間中に実務経験を得るためのCPTがありますが、学生は一般的にこのOPTを利用して、社会人になる準備をするということになります。

OPTの期間は、原則12ヶ月間ということなっています。最近では、理系分野で就学している場合、この12ヶ月間のOPTの延長が許される特例(STEM Extension)がありますが、詳しいことは弁護士よりも各学校のカウンセラーの方がよく知っているでしょうから、ここでは割愛します。

原則12ヶ月間のOPTですが、もう一つ例外的にOPTの期間が12ヶ月間を超えても延長できる場合があります。それは、H-1Bビザの申請をしている場合です。
この特例は、要するに、OPTの12ヶ月間の有効期間中にH-1Bビザの申請を受理されていれば、H-1Bビザの許否の結果がでるまで、OPTを延長することが認められているということです。この延長特例を利用すれば、H-1Bビザ申請の許否が移民局によって決められるまで、OPTが延長され、合法的に働くことが可能です。移民局はこの延長期間のことを“Cap-Gap”と呼んでいますが、上限数により発生したギャップ期間、という意味です。
H-1B申請は不安定な要素がありますが、この延長が許されているので、就職を考えられている外国人の方々は積極的に利用するべきだと思います。

ギャップ期間中は米国滞在を

 
このギャップ期間に関する特例延長についていくつか注意しておいた方が良い点があります。
まず、ギャップ期間中にアメリカを離れてしまう場合には、アメリカ国外の在外米国大使館・領事館でビザを取り直さなければなりません。したがって、緊急性がある場合を除いては、H-1Bビザ申請の許否が明確になるまでは米国に滞在しているのが無難です。

ギャップ期間中に米国外に出てしまうと、学生ビザはすでに切れているわけですから、H-1Bビザの許否を待って、ビザを申請し戻るということになり、かなり長期にわたって、米国外の滞在を余儀なくされる可能性があります。

Fビザ・OPT許可と出国猶予期間
それから、Fビザには特殊な「出国猶予期間」という制度が定められています。Fビザまたは、FビザからOPTの許可を持っている外国人は、就学が終わってから、またはOPTの期間が終了してから、60日間は出国猶予期間を与えられています。

すなわち、ステータスがなくなってからも、60日間は不法滞在にカウントされない期間があるということです。この期間、米国に滞在するのは合法ではありますが、就労は禁止されています。したがって、出国猶予期間に入ってから、H-1Bビザを申請した場合には、ギャップ期間に関する特例として、米国に引き続き滞在することはできますが、一方で労働許可はおりないので、実務研修をして対価を得ることはできないことになります。

上記の特例で、学生から社会人への移行をスムーズに行うように配慮されていますので、ぜひ現在学生の方、学生の雇用を考えられている企業などは、特例があるということを覚えておかれるとよかろうと思います。

次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。
 

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